光明の生活を伝えつなごう

関東支部だより

関東支部 平成22年12月

一行三昧の会

植西 武子

◇日時 平成22年10月3日
◇会場 光明園
◇参加者 8名

午前中はお念仏と如来光明礼拝儀、午後はお話とお念仏でした。
神戸在住で、教師養成第2回修学道場を終えた内野廣行氏が、法然上人の時代に自分を置いて開宗の機縁に少しでも触れればという「法然上人の時代と背景」というユニークなアプローチのお話でした。

要旨

平安京について、当初の計画は賀茂川と高野川との合流点以南の賀茂川と桂川、そして船岡山とを結界として計画されたが、一部「水」確保の困難さから右京は間もなく衰退し、左京は賀茂川を越えて東山に連なるようになった。法然上人の時代は当初の平安京の末期にあたっている。
2、社会情勢
一切経を五度まで読破し、専修念仏というユニークな思想の革命家である法然上人(1133~1212)の当時の京の社会は、保元の乱(1156)、平治の乱(1159)、安元の大火(1175)、治承の辻風と世は乱れ京の都の風景は一変した状態であった。鴨長明の方丈記(1212年3月成立)に克明に記されているが、特に養和の飢饉では、ホームレスあり、道端には乞食が溢れ、路上や河原には馬車が通れないほど餓死者あり、京都市内だけでも死者が四万二千三百余りという惨憺たる惨状を呈していた。

尺八と琴の演奏会―すばらしい音色に魅せられて―

植西 武子

去る10月17日(日)光明園で、「尺八とお琴の演奏会」がありました。
矢野司空上人(愛知県・谷性寺住職)は尺八の名手で全国のみならず、海外にも演奏に出かけられています。
昨年も、光明園で演奏をご披露下さいました。今年は更にお琴の演奏家、浦沢さつきさんとの共演というすばらしい機会に恵まれ、参加させて頂きました。

矢野上人はお念仏と関連させながら、それぞれの曲の説明を入れて六曲を演奏下さいました。最初の二曲は尺八のみの演奏でした。

①「息観」
命を支える呼吸、その呼吸を通して確立されて行った。念仏によって呼吸を整えていく。その呼吸に自分自身の命を重ねていく。
②「虚空」
人は自然の中に生きながら自然と対立している。「動中静有 静中動有」「自然即仏阿弥陀世界」、一音の中に弥陀をみる。
③「アッメイジング・グレイス」
この曲からお琴との共演となりました。親しまれている曲ということで共演の最初の曲として選ばれたようでした。
④「5+13=18」
このタイトルの意味は5は尺八の穴の数、13は琴の弦の数、それを併せて十八番は「おはこ」と言うことでした。普通「三曲合奏」と言って琴、三味線、胡弓が一般的であるが、この曲は尺八と琴のみの演奏でした。作曲者は日本で活躍する尺八の奏者でアメリカ人だそうです。曲想もジャズに近く、尺八や琴の雰囲気とは少し距離があるような曲の感じでしたが、それ故に新鮮に響きました。
⑤「城跡」
城跡と言えば「夏草や つわものどもが 夢の跡」とか「諸行無常」を強調されがちですが、この曲は「歴史は繰り返す」と言う、更に広い視野からその情感を味わって欲しいと話されました。
⑥「上弦の曲」
この曲は「上弦の月」を連想するもので、尺八の緩やかな調べと歯切れのよい琴の音の両方がうまく調和して、素晴らしい雰囲気を醸し出す。海外でこの曲が演奏された時、スタンディング・オーヴェイションを博したそうである。日本文化の粋に触れた感じでした。

矢野上人は国内は勿論、海外に何度も演奏旅行に出かけられています。過日もアメリカの大学等でレクチャー・コンサートと称して、浦川さつきさんと演奏会をされました。海外では日本文化に興味を持つ人が多く、特に尺八や琴のような和楽器の持つ調べは人の心を揺さぶり、浸透していくものがあります。縄文的霊性を基底に育まれた日本文化の良さをその演奏を通して海外の人たちに伝え、相互理解を深めていく素晴らしいお働きに心の中で拍手をお送りしました。

この日参加した人たちもそれぞれの感性でその音色に触れ、魅せられ、満たされた時を過ごされたと思います。お念仏と関連づけて今後更なるご活躍をされますようにと念じ上げました。

教学布教研修会

植西 武子

◇日時 平成22年10月23日(土)~24日(日) 両日10時~16時
◇会場 光明園
◇講題 「光明主義の諸相」
◇講師 河波定昌上人・宮澤正順上人・金田昭教上人
◇研究発表者 藤本清孝氏
◇参加者 23日=21名 24日=31名 総人数=35名

日程

23日
10時:開会式・念仏(15分)・講義①金田昭教上人(90分)、12時:昼食、12時45分:講義①宮澤正順上人(60分)・写真撮影・休憩・講義②続き(60分)、15時:質疑応答・茶話会、16時終了
24日
10時:念仏(30分)・研究発表①藤本清孝氏(60分)・写真撮影・念仏、12時:昼食・休憩 13時講義③河波上首上人(90分)、15時:質疑応答・茶話会、16時:閉会式

今年も2日に亘っての研修会でした。両日とも秋晴れの好天気に恵まれました。初日は参加人数がやや少ないでしたが、日曜日は会場が満席となりました。

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