乳房のひととせ 下巻47 中井常次郎(弁常居士)著 ◇十五 悲報 大正九年十二月三日の夜、十一時頃かと思う、自分は上人遷化の夢を見た。否、夢に非ず。意識明瞭、印象深刻。自分は坂道を上って上人のお許へ参らんとするに、忽ち…
(続きを読む)乳房のひととせ 下巻47 中井常次郎(弁常居士)著 ◇十五 悲報 大正九年十二月三日の夜、十一時頃かと思う、自分は上人遷化の夢を見た。否、夢に非ず。意識明瞭、印象深刻。自分は坂道を上って上人のお許へ参らんとするに、忽ち…
(続きを読む)乳房のひととせ 下巻43 中井常次郎(弁常居士)著 ◇十四 柏崎 過ぎし十月に京都の別時でお目にかかった時の面影とは全く変わり、ひどく、やつれで悼ましく感じた。熱の為に御舌はもつれ、言葉遣いが不明瞭で、お困りのようであ…
(続きを読む)乳房のひととせ 下巻43 中井常次郎(弁常居士)著 ◇十三 聞き書き 其の十二〔つづき〕 十月十六日~二十日知恩院勢至堂別時会説教 (十二)至心信楽欲生我国 念仏すれば信仰が進み、心は激しく働くようになる。愛と敬と調和…
(続きを読む)乳房のひととせ 下巻43 中井常次郎(弁常居士)著 ◇十三 聞き書き 其の十二〔つづき〕 十月十六日~二十日知恩院勢至堂別時会説教 (八)阿弥陀仏と心を西に空蝉の もぬけ果てたる声ぞ涼しき(法然上人) 一心を通せ…
(続きを読む)乳房のひととせ 下巻43 中井常次郎(弁常居士)著 ◇十三 聞き書き 其の十二〔つづき〕 十月十六日~二十日知恩院勢至堂別時会説教 (五)月影の到らぬ里は無けれども ながむる人の心にぞすむ(法然上人) 宗教の目的 …
(続きを読む)乳房のひととせ 下巻42 中井常次郎(弁常居士)著 ◇十三 聞き書き 其の十二〔つづき〕 十月十六日~二十日知恩院勢至堂別時会説教 (三) 第十八願 元祖大師の心に信仰の花咲き実を結んだように、吾等の心にも同じ花咲き実は…
(続きを読む)乳房のひととせ 下巻41 中井常次郎(弁常居士)著 ◇十二 十月の別時(つづき) 自分も信者の村を造りたいと思っていたから、氏は我が為には先輩であり、日向の新しい村は良い試験場であると思い、講演の後、氏と面談した。 新…
(続きを読む)乳房のひととせ 下巻40 中井常次郎(弁常居士)著 ◇十二 十月の別時 〔大正九年〕十月十六日より二十日まで、京都の知恩院山内、勢至堂で五日間の別時念仏三昧会が開かれた。 九月三十日に、上人は山陰地方へ伝道に赴かれると…
(続きを読む)乳房のひととせ 下巻39 中井常次郎(弁常居士)著 ◇十 法然院(つづき) 日曜日には終日寺でお念仏をした。その時、供養された昼食から察するに、寺は随分粗食のようであった。あれで僧侶達の健康が保てるかと気の毒に思った。…
(続きを読む)乳房のひととせ 下巻38 中井常次郎(弁常居士)著 ◇九 聞き書き 其の十一 〔つづき〕 大正九年八月十八日~二十四日信州唐沢山阿弥陀寺別時説教 誠は偽らぬだけならばねうちが無い。誠に中身が無ければならぬ。にせ物の…
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