光明の生活を伝えつなごう

関東支部だより

関東支部 平成23年8月

一行三昧の会

高橋敏子

◇日時:平成23年6月5日(日)
◇会場:光明園
◇参加者:10名

朝から静かな雰囲気の中で、『礼拝儀』をとなえ、昼食までの2時間念仏をとなえました。流れる汗を拭きながらのお念仏でした。

午後は、炭屋さんが「東日本大震災」の現地に震災発生当初から、ライフライン復旧のため仕事で駆けつけ現地の方々の生活支援に当られた、その時のお話をされました。

炭屋さんがそこで目にした光景は言葉で表現出来ないほどの、地獄絵と化した惨状であったと話されました。

一瞬にして、全てを失った方々にかける言葉もなく、炭屋さんは僧侶として威儀を正しご回向をさせていただき供養の念仏を唱えたと話されました。

大自然の脅威を前にし、人間の無力感と自然に対する人間の驕りに気づかなければならないとも話され、是非とも、謙虚な気持ちで、今、自分たちの住む同じ日本の中で起きている惨状を、自分の目で確かめられることをお勧めしたい、人間の魂を揺さぶられる現実がそこに在ると話されました。

大震災で犠牲になられた方々に思いをいたしながら、お念仏をさせていただきました。

念仏と法話の会

植西武子

◇日時:平成23年6月26日(日)
◇会場:光明園
◇導師:河波定昌上首
◇参加者:36数名

梅雨期でありながら今年の関東地方は他の地域に比べて雨が少なく、この日も晴天に恵まれました。いつもながら午前中は参加人数が少なく、各自が持参して食べる昼食もこぢんまりとテーブルを囲んで歓談しながら頂きました。午後になると急に人数が増え、木魚の音も大きく熱気を帯びてきました。約1時間のお念仏の後、聖歌を歌ってご法話を拝聴しました。

ご法話

弁栄上人の光明主義は光明体系とも言える。体系とはその中に全てのものが含まれていることを意味する。弁栄上人の光明体系は阿弥陀様の中に全てのものが収められていると言うことである。

今回はその中でも「禅と念仏」の関係に焦点をおいてお話し下さいました。

「禅と念仏」は良く対比して言われるが、禅は念仏の中から生まれたのである。

禅宗の第一祖、達磨大師は念仏の中で禅を説かれたのである。合掌する達磨大師の像からもそのことが窺われる。達磨大師のみならず、第二、第三祖もそうであった。

禅宗は第四祖、道信により確立された。その道信とて念仏をして悟りを得ていったのである。これらのことは『楞伽師資記』の中に詳しく記されている。初期の禅宗を知るにはこれに基づくより他はない。『楞伽師資記』によって禅宗がどのように成立していったかがよくわかるのである。

次に経典の成立の過程を通して、それぞれの経典の中に説かれている「念仏」について「空」と関係づけてお話しされました。

『文殊般若経』は念仏三昧を説いた経典である。この経典によって「念仏」から「空」を悟っていったのである。『般若経』は「空」を説くと言われるが、やはり念仏からなのである。

次に『八千頌般若経』(紀元前1世紀)において初めて「空」「大乗」なる語が出てくる。

「あなたの心は無くなりて……」は「空」を意味し、念仏すると必ず、この状況になっていく。

次に『金剛般若経』、更に『大品般若経』が出てくる。『文殊般若経』が一行三昧を説いているのに対して、『大般若経』は一相荘厳三昧を説いている。また、『大品般若経』の中には「念仏三昧とは不離仏、値遇仏の義なり」も説かれている。これに関連して、法然上人も「我はただ 仏にいつか あふい草 心のつまに かけぬ日ぞなき」と詠んでおられる。

竜樹菩薩の『大智度論』はこの経典の注釈書として著されたものである。

最後に『般若心経』ができる(400年頃)。「般若」とは智慧のことである。それも次元の高い高度な智慧を意味する。sophia(ラテン語)は上智、即ちより高度な智慧のことである。(『維摩経』に出てくる。)この経典も空を説いているが、なぜ空になるかについては説かれていない。

次に念仏の心構えについてお話し下さいました。

「仏を念ずるに 心を離れて別に仏あることなし 仏を離れて 別に心あることなし」。念仏の心構えとして一点に集中することが大切である。山本空外上人はこれを「点化」と表現された。この「点化」を分かり易く説明するために一つのエピソードを紹介されました。昔、ある俳句の達人が近江の国を訪れた。すると領主が俳人に「近江八景を一句にまとめて詠んで欲しい。」と所望した。俳人は…それに応えて…

「七景を 靄に包んで 三井の鐘」と見事に詠み上げた。八景が鐘の一点に点化されたのである。これこそ「存在の点化」である。

また、『華厳経』の中に「佛身充満於法界 普現一切群生前」なる表現がある。これも点化に他ならない。

一点(阿弥陀様)に集中する中で自己脱却し、空が開け、念仏三昧が成就する。ひたすら如来様に心を向けて、念仏精進しましょうと結ばれました。

茶話会

この後、茶話会が予定され佐藤蓮洋さんがお菓子の準備もして下さいましたが、3時半より関東支部総会があり、多数の人が総会に参加したため、他の方々は急いで帰宅されてしまいました。大変申し訳なく思いました。

関東支部総会

出席者数は16名。委任状にて会は成立。22年度事業報告と会計報告の後、23年度の事業予定と予算内容を審議しました。

  • おしらせ

  • 更新履歴

  •