光明の生活を伝えつなごう

関東支部だより

関東支部 平成31年1月

一行三昧会

鎌尾 光栄

◇日 時:11月4日(日)
◇会 場:光明園
◇講 話:佐々木有一師
◇参加者:13名

 光明園の柿が実り茶話会の時皆で美味しくいただきました。今月より光明主義の七不思議がはじまります。
 先月号の終りに、「宗教の関係は己のみにて成立するものにあらず。主体と客体の親密に合一する処に成立す。主体は即ち人にて客体は神即ち仏教の如来である。人の信仰と如来の恩寵との関係である。信仰とは己をささげて帰命信頼すること、恩寵とは人の信仰に対して慈愛心を以て愛念養成し給う親子的関係の如くである。」と記しましたが今月はその主体と客体、そして親子の関係をみていきます。

〈ご講話〉光明主義の七不思議① 

 
第一の不思議 光明主義(光明念仏)は如来と衆生が主客の関係
 光明主義は衆生が主体で「わたし」、如来は客体で「あなた」。二人の関係が光明念仏のスタートです。この「如来は客体である」について、よく知られたエピソードがあります。大正8年、恒村夏山氏が中井常次郎氏と共に弁栄聖者に初めてお目にかかった時、聖者から何か質問は?と促され、心中、聖者のお説きになる法身が一大人格のようなのに不審を抱いていたものの、ためらって黙していますと、聖者が「あぁ法身報身応身のことでしたね」と心中をさされて、しんから頭が下がりました。そして「上人様、如来様という方はほんとうは姿もかたちもましまさないので、それが形として現じてみえるのは自分の人格を通して如来を見るために、如来様に姿があるように拝めるのではありませんか」とお尋ねしましたところ、聖者は「いいえ、如来様は主観的客体に在ます」と仰せになりました。(『日本の光』469頁)
 信仰者には歴然たる信仰対象としての実体があるのです。かくて京都では恒村氏夫妻、中井氏等勇猛精進の念仏者となり、光明主義の火の手が燃え上がる機縁が開けたのです。
 主客の関係とは太陽の光線・熱線・化学線の三線が地上の生物を養成する如く、如来の光明には智慧、慈悲、威神の三霊力がありまして衆生の知力、感情、意志を霊育するわけです。衆生の信念を因とし、如来の大光明を増上縁として衆生を育て上げます。浄土教は如来の光明と衆生の信念との関係であり、聖道門のような因果律主義ではないのです。「如来よ」との呼びかけもあり、知情意の知だけでなく情や意にも容易に訴えて、情緒が生き生きとはたらきます。縁起の実践たる念仏によって、主と客はやがて入我我入して合一していきます。
 
第二の不思議 如来と衆生は親子の関係・・安心の基盤
 如来を大ミオヤとし、子としての自分がある親子の関係です。親の立場は『難思光』というご本によりますと、大ミオヤたる如来は「子をして親たる自己と同一の位置に到らしめんとす」これが如来の本願といわれるものです。そしてさらに「如来の一大霊力が一切の子等を解脱霊化せしめ円満に養う力」つまり本願力をもお持ちです。ちょうど「太陽の光化熱の三線を以て地上の万物に及ぼすが如く」に、十二光をもって子たる衆生を済度したまう、のであります。
 子の自覚とは『観経』の至誠心、深心、回向発願心、また『大経』では第十八願の至心、信楽、欲生我国がいわゆる念仏の三心といわれ、それぞれこの順番で対応しているといわれます(法然上人『観経釈』)。
 法然上人は簡潔に「一向に帰すれば至誠心、疑心なきは深心、往生せんと思ふは回向心也」とも仰せになっています(『東大寺十問答』)。
 弁栄聖者は至心は形式であり、深心と回向発願心が内容である、と極めて明快です。そして三心について、ご自身の言葉では「至心に深く信ず」、「至心に愛す」、「至心に欲望す」として三心の内容を分かりやすく、また菩薩道もはっきりとうたわれています。また最後に「聖き世嗣とならんことを」と念じておられるところが注目されます。『礼拝儀』所収。

第十回光明園別時 弁栄聖者第九十九回忌報恩念仏

光明園 佐藤 蓮洋

◇日 時:11月24日(土)午前10時~25日(日)午後4時
◇会 場:光明園
◇導 師:大南龍昇園主
◇参加者:27名

 第十回光明園別時は大南園主の導師により、開催されました。祭壇前には、弁栄聖者の如法衣が奉納され、開会式において大南園主より、弁栄聖者がインドで被着された衣が、光明園に奉納されるまでの経緯の説明がありました。詳しい経緯については、志村氏が次号(二月号)に寄稿し、掲載されますので、ご高覧いただければ幸いです。昨年は、新しい三昧仏様の開眼式が行われましたが、聖者百回忌を来年に迎えるにあたり、光明園としても重なるご縁に感謝するばかりです。
 延べ27人のお別時でしたが、早朝から夜半までご講話・ご法話、お念仏、聖歌に参加者の皆さんがそれぞれ取り組まれました。また、維那、大木魚、オルガン、食事、片付け等々、僧俗問わずに、多くの皆様のご協力をいただき、支えられました。
 聖歌は、7曲をみなさんと一緒にゆったりと味わいながら称えることができ、お別時ならではの味わいでした。佐々木講師および大南園主のお話につきましては、下記のとおり見出しのみをご紹介させていただき、詳しい経緯につきましては、次号(二月号)に掲載をさせていただきます。
 十回目という節目を大切に、これからも「念仏道場」として、多くの皆さんにお念仏のご縁が結ばれることを祈念してやみません。

佐々木講師のご講話

・2003年8月4日高野山別時工藤眞徹上人法話(智慧光・不断光)・・・単独別時の話
・起行の用心(図解)の説明
・弁栄聖者、笹本戒浄上人、田中木叉上人のお話

大南園主のご法話

「弁栄聖者被着如法衣ご奉納に因んで」
一 心霊生活の衣食住
二 道心の中に衣食あり
 ①心を護る三種の衣服
 ②食―仏教の食育論[一]
 ③食―仏教の食育論[二] 
三 大ミオヤ―『人生の帰趣』を読む―
 ①仏の三身
 ②光明主義の報身説

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