光明の生活を伝えつなごう

子供と一緒に学びましょう

子どもと一緒に学びましょう No.18 おなかのウナギ

弁栄上人はお弟子さんに本を読むことはとくにすすめませんでした。
そのかわりに「お念仏を真剣に称えなさい」といつも言っていました。

あるときのこと、拙堂さんというお弟子がひとり、
弁栄上人と行動を共にしていました。
その拙堂さん、とある新聞の広告をみて
「この仏教の本を読みたいなー」と思いました。
しかし、お金もありません。
また、師匠である弁栄上人に、
「この本がほしい」と言っても喜んでくれないだろうなー
そう思い、言い出せずにだまっていました。
すると、弁栄上人がとつぜん、
「拙堂さん、あの本が読みたいのですか?」
と言われて拙堂さんびっくり!
弁栄上人は心の中が見えるのです。
あわてて「ハイ、ほしいです」と答えると、
「それでは買いなさい」といって
お金を渡してくださいました。
そのお金を握りしめ拙堂さんは本屋さんにいき、
その本を買おうとしました。
すると本屋さんが安く売ってくれて、
たくさんおつりがかえってきました。
そのとき拙堂さん、悪い心がおこってきてこう思いました。
これは私が安くしてもらったのだから、自分のおこづかいにしよう!
そう思った拙堂さん、帰る途中そのお金で、
ウナギを食べ、さらに焼き鳥も食べてしまいました。

さて、お寺に帰りつき、まずしたことは、
においを消すためしっかりうがいをしました。
その後、弁栄上人に「ただいま帰りました」とあいさつすると、
「ウナギはうまかったか?」と言われました。
びっくりした拙堂さんは、あわてて
「もう一年もそのようなものは食べていません」と
うそを言ってしまいました。
すると、弁栄上人「ウナギではお腹いっぱいにならなかったようだな、
焼き鳥はうまかったか?」
拙堂さんもう降参です。「どうしてわかりますか?」
すると弁栄上人は「お前のお腹の中にある」とおっしゃいました。

  • おしらせ

  • 更新履歴

  •