法悦の
妙なる味を
おぼへずば
霊長と生れし
かひやなからん
『道詠集』二一八頁
〈意訳〉〔念仏三昧によって得られる霊的な〕法の悦びを実感できないような人生であったならば、「霊長」と〔自称する人として〕生まれた甲斐がないでしょう。
〈現代語訳〉〔観音菩薩は〕広大なる海のような無量の福徳を具えている。
〈解説〉『観音経』の経文であり、観音さまを讃える言葉であるが、弁栄上人は観音さまは、念仏者が目指すべき模範の姿であるから、念仏者の心境の深まりも伝えているのであろう。
著 者 藤堂恭俊
発 行 てるふる
定 価 2,750円(税込)
昭和34年に、弁栄聖者生誕百年記念として出版され、長らく絶版となっていた藤堂恭俊著『弁栄聖者』の改訂増補版(A5サイズ、ハードカバー、約380頁)が「てるふる(為先会)」より復刊。木叉上人著の弁栄上人伝『日本の光』には記されていない史実など、その生涯を伝える貴重な文献の一つ。また著者が本誌に寄稿されたものや著者が遷化の直前に記した手記(詩歌)など「光明随筆」として増補しています。
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