次は『礼拝儀』にある「至心に発願す」について考えよう。
「至心」というのは「こころをこめて」という意味だったね。
その後の「発願」とはどういう意味かな?
発とは「ホツ」と読んでいるけど、出発の「パツ」と同じ漢字だ。
意味は「はじめよう」「行動をおこそう」という意味。
そして「願」というのは「ねがう」という意味。
だから「発願」というのは「願いをおこそう」という意味になる。
たぶん君もこの「発願」をしたことあると思う。
お寺や神社にお参りしたとき、
おさいせんをチャリンと入れて、目をつぶって、手を合わせるよね。
そのとき、心のなかで何を思ってる?
如来さま どうか○○してください!って。
そんなふうに思っているよね。それが「発願」なんだ。
君はどんなことをお願いしているかな?
受験に合格しなすように。病気が治りますように。
よい1年でありますように。家族が幸せでありますように。
いろんな発願をするよね。
この発願には実は大切な決まりごとはあるんだ。
どんな発願をすればいいのか。みんな知ってる?
大人でも知らない人がいるよ。
宝くじの一等があたりますように!毎日遊んで暮らせますように!
そんなわがままなお願いごとをしちゃーいけない。
今回、ちゃんとこの決まりを覚えて、みんなに教えてほしいんだ。
発願というのは「自分の心」を願うんだ。
お菓子がほしい!おもちゃがほしい!
これは自分の心の外のことを願ってるからよくないんだ。
そうじゃなくって「自分の心をこうしたい!」って願うんだ。
だから『礼拝儀』にはちょっと難しいけれど
自分の心のことがたくさん出てくる。
慈悲(やさしい心)、歓喜(よろこびの心)
正義(ただしい心)、安忍(がまんする心)
剛毅(つよい心)、貞操(きれいな心)
謙遜(けんきょな心)、真実(すなおな心)
たくさんあっておぼえきれないね。だからどれか一つでいい。
その一つの心を「仏さま育てて下さい」って発願しよう!