次は『礼拝儀』の一番はじめにでてくる「三礼」について考えよう。
この三礼というのは三回、頭を下げておじぎすることだね。
そのおじぎのくわしい仕方は上手な人にきいてね。
この三礼、だれにむかって頭をさげるんだろう?
もちろん仏さまだね。
じゃあなぜ三回なんだろうか?
仏教ではとても大切な方に、とてもていねいにおじぎをする場合、
この三回のおじぎをするんだ。
だから、大人になって本当に大切なお願いをする場合、
ことわられたとしても三回頭を下げてお願いしに言ったりするんだよ。
じゃあ仏さまにどういう気持ちで三礼すればいいんだろう?
その気持ちのことを仏教では「恭敬」というんだ。
この「恭敬」というのはかんたんに言うと、
「尊く思います」もしくは「尊敬」します。という意味になる。
君が最も大好きで「こんな大人になりたいなー」そう思う相手
それが尊敬できる人だね。
その「尊く思います」と思いながら三回頭を下げるのが三礼なんだ。
ただこの三礼は「南無阿弥陀仏」と言うだけで、
前に勉強した「至心に感謝す」や「至心に回向す」のように直接、
その気持ちを口には出さないんだ。
たとえば「至心に感謝す」だと、
「感謝(ありがとう)」という気持ちで、それを言葉にも出す。
「至心に感謝す 大慈悲に在ます我らが如来よ」ってね。
でもこの三礼では口で「尊く思います」とは言わないんだな。
ここが重要なとこ。
口には出さないけれどもそれを「体」で表現するんだ。
「尊く思います」という気持ちを、「なむあみだぶつ」と
仏さまのお名前をお称えしながら、仏さまを見上げて、
そしてふかーく頭を下げる。そうやって、体で表現するんだ。
でもね、はじめは仏さまってどんな方か分からないから、
尊く思えないよね。みんなはじめはそうなんだ。
でもはじめは尊く思えなくても、毎日、毎日頭を下げていると
不思議に尊く思えてくるんだな。これが。
だから、とにかく、はじめは分からなくても、とにかく、
パパかママ、おじいちゃんかおばあちゃん、またお坊さんと一緒に
お勤めしてみよう!そういう尊敬い仏さまを毎日思っていると、
君の心も尊くなってくる。ちょうど鏡のようにね。