「ピンポーン」家のインターホンが鳴りました。
お母さんが「どちらさんですか」
とたずねると、外のお兄さんが、
「こんにちは、宅配便です。お荷物をおとどけにまいりました」
ドアを開けてみると、
ダンボールをもった宅配便のお兄さんが立っています。
お母さんがはんこをポンとおして、
「ごくろうさまです」というと
お兄さんは帰っていきました。
その時いっしょにいたしょうちゃん、
お母さんのお手伝いのでばんです。
そのダンボールをはこびました。
「いったい何が届いたんだろう」
ダンボールにはってある紙をみてみると、
どうやら親戚のおじちゃんからのようです。
しょうちゃんは楽しみでしかたがありません。
いそいで、ガムテープをはがし、ダンボールを開けると、
たくさんのイチゴが入っていました。
しょうちゃんは大喜び、「早く食べよ!食べよ!」というと、
「ちょっとまって!その前にやることがあるでしょ。」
とお母さん
それを聞いた、しょうちゃん
「そうだった。へへへ」といいながら、なれた手つきで、
ダンボールからイチゴをだし、お仏壇の前にお供えしました。
かねをチーンとならし手を合わせて
「なむあみだぶつ・なむあみだぶつ・・・」
とたくさんお称えして礼をしました。
じつはしょうちゃんの家ではいつも、
いただいたものは、まずお仏壇にお供えしています。
そうしてはじめていただくことができます。
それだけではなく、朝ご飯のときも、
自分たちがいただく前、お茶とご飯を仏さまにお供えしてから
いただいています。
しょうちゃんの心の中にはいつのまにか
「この仏壇には大切な仏さまとご先祖さまがいるんだ。」
という気持ちが育まれていました。