光明の生活を伝えつなごう

関東支部だより

関東支部 平成22年7月

一行三昧の会

植西 武子

◇日時 平成22年5月2日(日)
◇会場 光明園
◇参加者18名
◇講師 谷慈義師

今月は先月に引き続き谷慈義講師が「岡潔と光明主義」のテーマで後半のお話をされました。
30項目の内、前回は1項目から9項目まででしたので、今回は11項目から30項目までのかなりのボリュウムを要点をかいつまんで話されました。

どの項目も大変含蓄のある話ばかりで感じること大でした。特に「大発見は光明主義のお陰」と言う件で、大発見を経験して、「それまで気づかなかったことの方がかえって不思議で、それは科学者の目をくらませていた何者か(それは自分自身)がお念仏によってぬぐい去られたから」と述懐されている点です。このことは岡先生が愛読された道元禅師の『正法眼蔵』に記されている「自己を運びて万法を修証するを迷とす、万法すすみて自己を修証するはさとりなり」をご自身で体験されたことでした。

また、田中木叉先生のお言葉が岡先生に甚大な影響を与えた件も感銘深いものでした。特に、「光明主義は無限の向上である。」等は後々まで岡先生の心の襞深くに納まり、大発見への原動力となったことを伺い知ることができました。

※谷慈義師は多くの資料に目を通し、それ等を要領よく的確にまとめた資料を準備して、2回に亘ってわかりやすくお話されました。今回も内容の深いお話でした。6月20日の講演会までに、自分なりに少しは勉強したと思わせるに充分なお話でした。

念仏と法話の会

植西 武子

◇日時 5月16日(日)
◇会場 光明園
◇導師 河波定昌上首
◇参加者 30数名

今月も午前中に佐々木有一氏によるご法話が一席ありました。「如来さまの七不思議」というテーマで先月より3回に亘ってのお話が計画されており、今月は第4の不思議「智慧の故に」と第5の不思議「親子関係と念仏三縁」について話されました。
この日は例会後、関東支部総会と光明園役員会が予定されていたため、少しお念仏をした後、河波定昌上人のご法話を拝聴しました。

ご法話

今月は善導大師の『観経玄義分』の一部を解説しながら、お念仏の心構えの大切さをお話になりました。

①釈迦[ダンマ]→②善導大師(613-681)[本願]→③法然上人(1133-1212)[選択本願]→弁栄上人(1859-1920)[十二光]と言う一連の長い時の流れの中に脈々と展開されてきた尊い教え、それぞれの時代は異なっても「さとり」と言う内容で同じ時間を共有されたと言える。これを河波上人は「同時性」と表現された。
特に法然上人は善導大師の精神に導かれて行くこと大であった(偏依善導)。善導大師が生きた時代は唐の文化の最盛期であった。そして法然上人は43才の時に専修念仏に帰し、浄土法門を説かれるに至った。

阿弥陀様は在すが姿、形は見えない。しかし存在する。どこにでもあるがどこにもない。この矛盾をどうすればよいか?善導大師は「指方立相」と表現され、弁栄上人は真正面または西方と表された。この点に関してニコラウス・クザーヌス(1401-1464)はその著『知ある無知』の中で同様なことを記している。「宇宙には無限大の神が縮減(contractio)している」と。仏教の中にもキリスト教の真理がある。宇宙にはただ一つ真理があり、心をその一点に集中して心を運んでいくと一切智が開ける。
善導大師の『観経疏』にはお念仏をしていく上で核となる大切なことがらが記されている。『観経疏』は観無量寿経の注釈書で、その中でも冒頭の部分は14行偈として独立している。なお、『観経疏』は①玄義分、②序文義、③定善義、④散善義の四つの部分から成る。

(お上人様は沙門善導集記『観経玄義分』の一部をプリントして、読みながら、所々で語句や難解な表現の解説をして下さいました。原文は省略し、部分的解説のみ記述)
・各発無上道=おのおの無上心を発こせ。(この各は私たち一人一人を意味する)
・共発金剛志=共に金剛の志を発こせ。(共も同様に重要である)
・横超断四流=横に四流を超断すべし。四流=①欲暴流、②有暴流(とらわれの心)、③見暴流、④無暴流れ
・三仏菩提の尊の三仏=Sam Buddha=正覚
・長時に退すること無き者=阿弥陀様
・加備=加持
・末法=釈迦の時代から下るの意味 ①正法の時代、②像法の時代、③末法の時代と続く。
・定散の定=集中、散=散乱
・無生=さとり
・十方恆沙ガンジス河の砂の数ほどの
・六通=六神通=①神境通、②天眼通 ③天耳通 ④他心通 ⑤宿命通 ⑥漏尽通
・今乗二尊教 広開浄土門=今二尊(お釈迦様と阿弥陀様)の教に乗じて、広く浄土の門を開く。

お上人様は「この最後の広く浄土の門を開く」が重要であると話されました。ベルグソンがその著『道徳と宗教の二源泉』で述べているように『閉ざされた宗教』ではなく『開かれた宗教』でなければならないと言っている。さらに念仏は生活の中で生きなければならないと結ばれました。

茶話会

この後、関東支部総会があり、大部分の方がそれに参加されたため、ごく少数の方たちで歓談されました。

関東支部総会

田代直秀支部長のご尽力で本年会員数が増えました。新しいメンバーを迎えて、本年度の事業計画や予算審議をしました。この後、光明園役員会もあり、予算についてかなり時間をかけて話し合いました。

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