乳房のひととせ 上巻 中井常次郎(弁常居士)著 ◇勢至堂の三月別時 3月1日から1週間、京都知恩院山内の勢至堂で、弁栄上人御指導の別時があった。子供の時に、お正月を待ちこがれたように、私共はその日を待った。 この頃、人と…
(続きを読む)乳房のひととせ 上巻 中井常次郎(弁常居士)著 ◇勢至堂の三月別時 3月1日から1週間、京都知恩院山内の勢至堂で、弁栄上人御指導の別時があった。子供の時に、お正月を待ちこがれたように、私共はその日を待った。 この頃、人と…
(続きを読む)乳房のひととせ 上巻 中井常次郎(弁常居士)著 ◇浄土 現世は夢にして、心霊界は醒めた永遠の天地である。なぜかといえば、現世の生活はしばらくにして夢の如し。昨夜を思い出す事ができるけれども、立ち返る事ができない。この世の…
(続きを読む)乳房のひととせ 上巻 中井常次郎(弁常居士)著 ◇四諦 天台宗による処世観 仏教を苦、集、滅、道の四諦に分ける。苦諦と集諦とは有漏。滅諦と道諦とは無漏である。有漏とは煩悩ある肉の心をいい、無漏とは聖き霊なる心である。漏と…
(続きを読む)乳房のひととせ 上巻 中井常次郎(弁常居士)著 ◇十二入、十八界の話 六根とは眼耳鼻舌身意の六つをいう。六塵とは色声香味触法である。これを六賊ともいう。人の心が外界のものに汚されるから、そのものを塵といい、心を奪うから賊…
(続きを読む)乳房のひととせ 上巻 中井常次郎(弁常居士)著 ◇乞食犬の話 飼犬と乞食犬とは、食物を求める時の作法がちがう事になっていた。ある時、乞食犬が片脚を外に、片脚を家の内に入れて物乞いをした。かくの如く、乞食犬が作法を守ってい…
(続きを読む)乳房のひととせ 上巻 中井常次郎(弁常居士)著 ◇世界について 宇宙を神性(如来性)、世界性、衆生性の三つに分ける。神の本質は物心を超越した絶対の大霊体である。時間、空間を超越している。差別の娑婆から見れば、時間、空間の…
(続きを読む)乳房のひととせ 上巻 中井常次郎(弁常居士)著 ◇第四、【【【?】】】酒戒 (筆記なし。) 飲酒は軽き罪なれども、?酒、即ち酒を売りて、人に飲ましむるは罪重し。菩薩は利他を本とす。他の心を迷わすは、自ら飲んで迷う罪に過ぎ…
(続きを読む)乳房のひととせ 上巻 中井常次郎(弁常居士)著 ◇第一、快意殺生戒 かわい〈可愛い〉とかわいそうとはちがう。鶏は子を愛するが、病める子を哀れむ事を知らぬ。然るに、人間にはかわいそうという心がある。殺生を重ねると、このかわ…
(続きを読む)乳房のひととせ 上巻 中井常次郎(弁常居士)著 三聚浄戒は父の憲法であって、神聖、正義に当り、念仏は母の愛にて、恩寵に当る。我等の本性は法身より受けたものであるが、罪のために、報身の如来に会われない。儒教では、本性を明徳…
(続きを読む)乳房のひととせ 上巻 中井常次郎(弁常居士)著 心田地は法身より受けたもので、因果の理によって出来る。この心田地に、悪い種を蒔かぬように、仏戒を受けるのである。五戒即ち仁、義、礼、知、信を守れば、人間に生まれ、十善戒即ち…
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