西蓮寺例会
内藤 規利子
西蓮寺の門をくぐると真正面に大きな子育地蔵様が……。アメリカディゴが真赤な花を空に向けて元気に咲き、いろんな紫陽花が咲いていました。いつもは花に見とれているけれど、あれ! いい五葉の松があるじゃない…。梅の実ほどの桃がかわいく生っていました。6月23日大田敬光上人御指導で例会が開かれました。御法話の一部です。
法然上人から浄土宗が始まって八百年、その中にはいろんなことがあったんですね。徳川家康が天下を取って日本全体を政治の上からも指導していかなくてはいけないということをやった中に宗教の問題もあった。仏教が入ってくる前に神道がありましたからそういう中へインドから中国を経て伝わった仏教というものを果たして取り入れていいものか、非常に問題があったようですね。
ところが実に幸いなことにその時(奈良時代)聖徳太子が宮中に皇太子という立場でおられてとても深く考えて新しい教えが外国から来てどうしたら対処できるか、取り入れた方がいいか、それとも取り入れない方がいいか御自身が深く極めなさった。法隆寺のある所の夢殿へおこもりになって深い瞑想にふけられて本気になって取り組まれてその結果、この仏教の教えというのは非常に優れたものを持っている、こういう地球全体で物事を決めていかなければいけない時代がだんだん来るのに日本だけが目を背けて日本には昔から神道がありますからというだけではすまないものがある。
当時中国からは仏教と一緒に儒教(孔子)も伝わってきていた。そういうものまで通してお決めになったのが有名な十七条憲法という国のあり方を決めるようなものを決めなさった。聖徳太子のおられた頃に伝わってきた仏教が優れたものということを憲法の最初の処に説いておられる。十七条の最初に和を以て貴しと為す。仲良くするということが大事な心得なんだぞ。日本人全体が仲良く、日本だけではない外国とも仲良くということが必ず大事なことだということで一番これを心掛けなければいけないと言われた。
二条には篤く三宝を敬えという言葉がある、三宝を皆がしっかり心に受けとめて仲良くしていこうとすれば鬼に金棒のようなしっかりした日本国ができるぞということが示されている。あの憲法は人によっては仏教色が強過ぎて神道を軽んじているんではないかという意見さえあるが聖徳太子は国際的な見地から見て仏法僧というものを宝物としてしっかり自分達が大事にしていこうという気持ちにならなければいかんぞ。仏法僧の三宝をお敬いするということでこういうことを一番基本において仏教徒は心がけていかなければいけませんよ。
奥様のオルガンで「四弘誓願」を皆でうたいました。
これから内藤のことです。
6月初め小六の孫娘の運動会。六年生なので金管バンド部の出番も最後。楽しみにしていた矢先、息子の体調がよくないので胃カメラを撮るということが耳に入り心配しながら行きました。着くとすぐ金管バンドの行進が始まり、間に合ってよかった!!
赤い帽子に白い羽、赤い服に金モール、スカート、ハイソックス、靴は白、玩具の兵隊さんのようでとっても可愛い。この服が着たさに入部する子もいるという。孫娘はトランペット。縦横無尽に行進しながら演奏している様はお見事で感心してしまいました。校庭にいる息子の後姿はなんか痩せているなあ。背中に手を当てている……。座っているので「どう体の具合は?」と聞くと「薬飲んでる」とポツリ。運動会が終わって息子宅へ行って午前中の競技をビデオで見せてもらって「校庭より良く見えるよね」と運動会を見た気分に。一緒にいた息子はいつもと変わりない様子。10日程先の胃カメラの結果が分かるまでは……と、息子のことが気がかりでならない。つい、よくないことばかり考えている。
すべてを大ミオヤに御任せ申上げて常に大ミオヤを念じ……と思えどもなかなかお任せできない。如来様はいつも私達の真正面に母が子を思うようにいて下さるという、私が息子のことを思っているように如来様も私を思っていて下さるんだなあとの思いを深くしました。私達が何か心配している時は「如来様が心配していて下さる」という。苦はお念仏の御催促、いつもよりお念仏ができました。胃カメラの結果は私が心配したようなこともなくほっとしました。