家庭を平和なものとするにはどうすればよいか、それは家庭の信仰化という事である。家庭の信仰化はむづかしい事のようであるが、仏の心に契った生活を営むことで、仏の心になるには家庭内の人々がよく心の掃除をすることである。心に塵がたまると心病が出るから、毎朝室の塵を掃除するが如く毎朝仏壇に向って礼拝し心の塵を払うがよい。仏壇に対する時に邪心はない、実に平和な心である。此の心の塵埃を払うところに家庭の平和が生れる。毎朝の掃除だけではまだほこりのたまるおそれがあるから、月に1、2度は心の大掃除をする必要がある。毎朝の心の掃除と共に祖先の忌日にはお寺に行くなり、僧侶を請じて、その日は心の大掃除をするがよい。日々の掃除と月々の大掃除を忘れずにするようにすれば自ずから家庭は至極圓満である。
昭和9年「光生」121号より 著者不明