下司 仁美
思えば、中学生の時、三隅栄俊上人の郷里、山口県の宇部で三隅栄俊上人、河波定昌上首(当時九大生)より光明主義のご縁を頂き、高校3年生の時、奈良郡山の草可様の所で藤堂御法主の如法別時に就かせて頂き、私の人生観は180度変わりました。
これから社会に出て就職を考えると云う時、お念仏が出来、玄米が食べられるところならどんなところでもよい、と思っていたら、現在の下司から声がかかりました。
朝5時から1時間お念仏があり、近所の人が2、3人お念仏にみえていました。月1回のお念仏と法話の会(三隅上人による)があり、下司は自然食品の商いをするようになりました。
三隅上人は衆会をことの他大切にされ、家を建築する時等、一番に皆様が集まれる樣、6畳2部屋つづきに設計するべく助言されました。
11月は豪光山和順精舎摂化院の開山上人、三隅栄俊上人の祥当月です。単細胞の私の頭は三隅栄俊上人のことでいっぱいになります。摂化院でお念仏がしたくてたまらなくなります。念ずれば華開くで……。
平成24年11月は22名(僧籍10名、在家12名)で、大声をはりあげて、1泊2日の一行三昧をいたしました。平成25年11月は12名で湧きあがりました。
一行三昧の食事は精進メインのつたない料理です。ごちそうは作りません。それは人手不足ということだけでなく、自分も含めて、参加している皆さんがお念仏を目いっぱいしながら、食事の前の少ない時間を利用して御飯をこしらえることが出来るからです。
その為に、智慧をしぼって、下準備で保存食品の常備菜を作っておきクール便で送ります。長野のおやきも送っていただきました。これは大きな鍋で一気に蒸して、汁物や常備菜をつけて、軽食ながら一食になります。
私語は禁止とし、わずかな作業もなるべく静寂の中で行います。休憩時間十五分以外は全員入堂です。おかげで緑の中の山寺に聞こえるのはお念仏の声ばかり、短い1泊2日のお別時がまたひと味ちがう特別の時を迎え、あの三隅上人のなされていた一行三昧の情熱と同じ中味の濃い充実したお別時となりました。
平成26年11月、またこの光明会念仏道場摂化院で古田幸隆上人を御導師にお願いしております。どうぞご参加下さいませ。
以下の詩は三隅栄俊上人が田中木叉上人にお出会いになって、大きな感銘を受けられました。その感激と決意を詩に表現し、或る信者の方に葉書で送られたものです。
齢 八十五
よわい 無量寿
光顔 きららかに
いのち燦としてかがやきます
みほとけに生命をささげ
み佛をこひなつかしみ
みほとけと共にまします
法の師の君はけ高し
願わくば 我とこしえに
きみがあと つとめにつとめ
聖名を呼ぶ 声にすがりて
成仏の願に 生きなん
昭和四十三年二月二十八日
東京にて 三隅栄俊