光明の生活を伝えつなごう

子供と一緒に学びましょう

子どもと一緒に学びましょう No.23 お坊さんと竜の夫婦のお話(1)

今から400年くらい前、幡随意上人というえらいお坊さんがいました。このお坊さんは徳川家康という当時一番えらい人から、キリスト教を信仰している人を仏教徒にするようにと依頼されるくらい、頭がよく、そして非常に熱心にお念仏をしたお坊さんです。

そのお念仏の教えを多くの人に伝えようと、上人は全国を旅して周りました。

その幡随意上人が41才の時、1582年のお話です。上人は「南無阿弥陀仏とお念仏を称えるものは悪人であっても必ず阿弥陀さまが救って下さいますよ」という内容のお話を多くの人の前でしていました。そんなとき、ひとりの女性が上人の前にやってきました。その女性を見て上人「普通の人ではないな、ただものではないぞ」と感じます。

そんなことを感じているとき女性が話しはじめました。

「私はこの近くの池にすむ龍女でございます。私は今まで数百才生きてきましたが毎日、熱い風や熱い地面に苦しい思いをしています。そして、大きな風が吹いてきて住まいなどを吹き飛ばされてしまうこともあります。さらに恐ろしいのは金翅鳥という私より大きな鳥に襲われ、食べられてしまう仲間もいるのです。そんな龍の三つの苦しみはつらくてつらくてたまりません。どうか上人さま、どうかこの私の苦しみを取り除き、喜びの生活をおくれる道を教えて下さい。どうか、どうかお願いします。」

上人「そうでしたか。わかりました。ただ一つおたずねいたします。あなたが龍神であるならばなぜ今龍の姿ではないのですか?」

女性「私がもし本当の姿を現したのならば、上人を驚かせることになると思い、この人間の姿で現れました」

上人「私は未だかつて驚いたり恐怖をいだいたりしたことはありません。どうぞ龍女であるならば本当の姿を現して下さい」

龍女は立ち上がりました。そのとき急に黒い雲が空に広がりました。そして、その女性はたちまち大きな龍の姿となり、両方の目から太陽のように明るい光をだし、口を開き、真っ赤な舌をだし火を吹いています。その姿を見ても、上人は少しも驚くことはありません。上人は杖を持ち、それを龍のおでこにあて、「よいかな、よいかな、しずまれ、しずまれ」というと、また人間の女性の姿にもどり静かにすわりました。そして上人はお念仏の教えについて説きはじめました。

上人「私がお慕いしている阿弥陀さまは四十八のお誓いを立て、たとえ鬼であろうと、動物であろうと、男でも女でもすべての者を救うと約束して下さっています。たとえあなたのような龍女であろうとも必ず阿弥陀さまは救ってくださいますよ。この阿弥陀さまのお約束のお力を信じられず、ただ自分一人でもがいていたのならば永遠に龍女のまま苦しみの生活が続いていきます。阿弥陀さまはあなたを必ず救いとってくださいます。と力強くお話しました。その後、毎日この習慣を守って生活うぃするとお誓いする「戒」を授け、仏さまの弟子としての名前「王誉妙龍」というお名前を授け、南無阿弥陀仏と十遍お称えいたしました。

龍女は今まで何百年も苦しんできました。そこでやっと自分を救って下さる阿弥陀さまの教えに出会ったのです。大いに喜び涙を流しながら、「上人の教えによって、龍の三つの苦しみから解放され西方浄土に往生することができる。上人のお徳にすがらなければだれが私を救ってくれたでしょうか。これよりは山の頂上や海の中、どこに上人がいたとしても、この龍の不思議な力によって水をささげてその大きな恩にむくいていきます。火災をはらい、上人がお念仏の教えを広く伝えていけるように常に守っております。」そういうと龍女はさっていきました。

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