乳房のひととせ 上巻 中井常次郎(弁常居士)著 授戒 1月28日の朝8時から授戒会が始まった。本堂には三昧仏が掛けられ、幕が張りめぐらされ、4、50人の信者が集まった。念仏を申し、礼拝儀を称え、お説教を聞き、又念仏を申す…
(続きを読む)乳房のひととせ 上巻 中井常次郎(弁常居士)著 授戒 1月28日の朝8時から授戒会が始まった。本堂には三昧仏が掛けられ、幕が張りめぐらされ、4、50人の信者が集まった。念仏を申し、礼拝儀を称え、お説教を聞き、又念仏を申す…
(続きを読む)乳房のひととせ 上巻 中井常次郎(弁常居士)著 当麻山無量光寺 1月27日の午前中に、久保山の別時が終った。自分は午後、奥村弁誡〈後の山崎弁誡〉さんと連れ、弁栄上人のお供をして当麻山へ向かい、横浜を立った。 東神奈川駅で…
(続きを読む)乳房のひととせ 上巻 中井常次郎(弁常居士)著 次の日のお話 26日 如来様から頂いた最も大切なものは霊性である。与えられた命の時間を如来の思し召しに叶うように、有益に使えば三世諸仏のように尊い仏となる。善導大師のお言葉…
(続きを読む)乳房のひととせ 上巻 中井常次郎(弁常居士)著 22日 個性は滅びない。個人となっている間に受けた業を以て死し、生死に流転する。 声聞は小我を滅ぼして、宇宙精神と合一するを目的とする。その目的を達したのが羅漢である。羅漢…
(続きを読む)乳房のひととせ 上巻 中井常次郎(弁常居士)著 自分は高等学校の入学試験に苦戦して以来、神経衰弱で、そのため記憶力が弱く、あたら説教を忘れては惜しいと思い、常に弁栄上人のお言葉を書きとどめ、以て後日に備えた。それが今、貴…
(続きを読む)乳房のひととせ 上巻 中井常次郎 初夢 夢に俗夢と霊夢がある。意識眠って心が日頃親しめる境界に遊び、あさましき事、あるまじき事などを見るは俗夢にして、赤裸〈つつみかくしのない裸〉の自分を知る便となる。 自分はこのたび、良…
(続きを読む)乳房のひととせ 上巻 中井常次郎 はしがき 弁栄上人の依って、みたま〈御霊〉の乳房を恵まれた自分は、西本願寺の門徒、篤き信者の代々続く家庭に育てられた。父母が朝夕のみほとけへのおつとめに誘われ、としよりがする寺参りに連れ…
(続きを読む)随行記 熊野 好月 寺内の方々の連日連夜の御看護のおつかれをしばらくでも代わらせて戴きたく、早速お枕辺に侍する事になり、お念仏申し涙ぐんでいるお足をおさすりしたり、氷のうをかえたりさせて戴きました。腸出血のあと1日あまり…
(続きを読む)随行記 熊野 好月 佐々木上人様や大谷象平様が引きつづきお供を遊ばしてかの長野での御いたましい御苦労もこの御旅の途中であったと承りました。聖者かねてよくこのように仰せられました。「人はこの世に生まれ出る時、如来様から、そ…
(続きを読む)随行記 熊野 好月 後の百万遍知恩寺の御法主桑田寛随上人はその当時、知恩院の法教課長の要職にあられながら常に私共在家のものの集りにも御出席下され、礼儀もわきまえぬものをも寛容の心をもって御指導下さっておりましたが、いよい…
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