光明の生活を伝えつなごう

他場所だより

他場所 平成25年7月

第39回 法のつどいを終えて

光明学園相模原高等学校 教諭 白井 佑樹

5月18日(土)~19日(日)「第39回 法のつどい」が京都市大本山百萬遍知恩寺にて行われました。私自身、初参加ということもあり、移動中どのような研修の内容になるか想像ができず、不安を抱えていました。しかし、知恩寺の境内に入らせていただくとなぜか全身が温もりに包まれるような思いを感じました。開会式を経て、念仏一会を終え法話を聞かせていただきました。

尊い法話の中で私が一番印象に残っているのは、服部法丸台下様の命の尊さや感謝の気持ちについてです。ある県で連日に続く大雨で川が氾濫し3歳の男の子が水難事故に遭い、亡くなってしまった。ご両親は愛別離苦を乗り越え、二度と同じことが起きないように対策を地域の方々と協力して行ったそうです。なにげなく過ごしている一日だけれども、その一日が過ごせなくなってしまった方々もいる。今、生きていること自体が尊いことであると学ばせて頂きました。私は、理科の教諭として我々が生きていくためには、他の生物種の尊い命によって生かされていることを生徒に教えています。食前、食後の食作法により深めることができました。また、私が健康でいられるのも、ここまで無償の愛を注いでくれた両親、関わることのできた方々がいるからである。感謝の気持ちを行動で示していきたいと思いました。

私は、和太鼓部の顧問をさせていただいております。昨年、作曲した曲の中に「清澄」という曲があります。この曲は、世界各地で起きている様々な問題、未だ消えぬ紛争、飢餓、忘れてはならない東日本大震災。人種、性別、宗教を越え融和世界をテーマにブラジルのサンバ、中国民族音楽、アフリカのリズム、歌舞伎、相撲甚句など様々な民族音楽を和太鼓で演奏し、世界と日本のアンサンブルを表現したものとなっております。

作曲段階で、多くの民族音楽を聞きました。その中に、インド音楽もあり、初めて聞いた感想は一曲が長いと率直に思いました。同時に、参考にしたいリズムもありましたが、複雑なリズムだったのでどのように叩いているか解読できませんでした。心のコンサートでインド音楽に触れることができ、解読できなかった複雑なリズムの謎が解けました。想像段階では和太鼓のようにバチを用いて演奏をしていると考えていましたが、実際は指でタブラを叩いて演奏をしていました。演者の井上憲司さんからもお話があったようにインドの方々はあまり時間に縛られない。また、一曲の中に即興で演奏をしているとお話を聞き、即興で長時間演奏する驚きと1曲が長くなる理由がわかった気がします。他にも、逆瀬川健治さんからタブラの奏法を学ぶことができ、産声をあげたばかりの「清澄」に活かすことができる尊い時間になりました。

私は、光明学園相模原高等学校の教諭として「法のつどい」で学んだことを生徒に伝え、これからの教員生活で心の教育ができるよう私自身も勉強をしたいです。

「法の集いに参加して」

光明学園相模原高等学校 教諭 片山 摩利恵

 宗教とは「物の視点を増やすようなものである。世界中には、色々な考え方や価値観があって、学ぶことで物を色々な角度から捉えられることができる。」というような考え方を、建学の教員から以前教わったことがありました。今回の法のつどいでは、まさにその(宗教)を学ぶことができたのではないか、と感じました。正直なところ、私は本校に勤めるまで宗教そのものに御縁がなかったので慣れていない分、自分自身どのような考えをもって、生徒に話せるのか自信がありませんでした。しかし今回の法の集いにおいて、光明主義の大きさを初めて知り、研修の中から学ぶことが沢山あり、大変貴重な経験をさせて頂きましたことに、感謝しております。

法話のなかで、日々の教育活動でも参考になるお話がいくつかありました。“戒→戒め、慎み、励み”我々は畜生(本能)ではない、人間らしい、人間としての正しい歩みをしなければならない。“我生きるに非ず、生かされているのである。”という言葉も印象的でした。毎日を丁寧に、人との関わりを大切にしたいと思いました。また、“布施”のお話において、子どもに否定的な言葉を使ってはいけない、というお話に共感致しました。私は美術の教員として、褒める教育を心掛けていきたいと改めて考えました。

光のコンサートでは、ラーバとタブラによるミシュラカーフィを演奏して頂いて、北インドの宮廷音楽を初めて聞くことができました。タブラの中心部がお米と鉄の粉を練りこんだものだと聞いて、とても驚きました。尺八とのセッションもまた、見応えのあるものでした。

念仏を称えながら考えていたひとつとして、このような機会を生徒にも持たせることができたら、ということです。生徒は人数も多いので、なかなか難しいことですが、やはり大本山で念仏を称えることができるのは特別なことだと感じました。

今回経験したこと、学ばせて頂いたことを日々の教育活動に生かし、生徒を正しい道へと導く教師になりたいです。

第39回法のつどい

佐野 成昭

平成25年5月18日(土)~19日(日)「第39回法の集い」が、大本山百萬遍知恩寺にて80名の参加を得て開催されました。「百萬遍」の称号は、源智上人建立の知恩寺が、善阿住職上人の時、上人が百万回称えた功徳で後醍醐天皇から賜っています。

初日は例年より暑く、平均気温が20度を超え土曜は晴、日曜は曇り後雨でした。各地の参加者は、関東21名、中部16名、近畿12名、中国四国14名、九州17名でした。光明学園の本年採用の若い先生6名も参加されました。また、別途五感に訴える無料特別行事、「心の光コンサート」のみの参加者は10名程でした。

プログラムは12時受付、13時鶴山恒教師の開会宣言と聖歌「月かげ」斉唱により、「法の集い」が開始しされました。大本山知恩寺の執事長・長谷雄良裕上人および金田隆栄理事長のご挨拶後、亀山政臣師維那にて「如来光明歎徳章」を全員で唱和し、念仏が始まりました。

14時より大本山の服部法丸台下のご法話がありました。その簡単な概要は、浄土宗平和賞の紹介と吉川英治先生のお言葉でした。「妻のお陰で今日があり、それで今回表彰されるようになった。私が一番お陰を受けた人は、私の妻だ」と言って講演途中急にお話が止まって涙されたのを聞いて感銘を受けたと法話をされました。(筆者は理事長と打ち合わせ、今回よりご法話の記述は、数行以内と簡単にします。)

15時からの一時間の念仏に続いて遠藤喨及師の自己紹介、和田寺と皆が幸福になるための念仏活動の説明の後、最後にたて笛と琴の同時演奏を一曲披露されました。また、和田寺のパンフレットおよび「気と癒しの道」のCDを下さいました。

17時より暮れの礼拝後、会場を出て別棟の食堂へ行道で移動し夕食をとりました。光明学園の若い新入先生も共に食事をとりました。食事の量が足りなかったのではと思われましたが、翌朝御飯お変わりが出来たので何とか助かったのではないでしょうか。

18時半より1時間半特別コンサートがあり、北インド古典音楽より、曲名「ラーガ ミシュラ カーフィ」と「ラーガ ジンジョティ」という音楽をインド楽器、シタール奏者、井上憲司師が演奏されました。そして、インド太鼓、タブラ奏者の逆瀬川健治師も加わり熱演されました。楽器の紹介がありました。シタールは弦の多いギターのような楽器で、共鳴弦を有します。演奏の95%は、即興と説明されました。念仏三昧は出世間の三昧ですが、シタール演奏者は音楽三昧になる点、「三昧」という点で念仏と共通した所があります。シタールには共鳴弦がビンビンと絶えなく鳴っている中で旋律が自由に演奏されます。

三曲目は、ジャズ尺八を得意とする矢野上人の尺八が加わった即興によるジャズ風セッションで大変熱の籠った演奏でした。シタールの横に広がる特徴の横音楽と縦の尺八音楽で縦横うまくミックスされた音楽が生まれました。

次に20時よりお念仏が半時間あり、その日は終了。入浴後21時半就寝でした。大方丈という大きな部屋に男子、女子も他の大部屋2ヶ所で寝ました。

翌朝5時起床大殿で5時半の勤行のため広い廊下に木魚持参で並び、行道で本殿である大殿に入堂しました。正面入り口の戸が開いていましたので冷えた風が後ろから入ってきます。極楽のように涼しいと感じる人と寒いと感じる人と、人それぞれでした。百万遍知恩寺は、大数珠繰りで知られるように大殿の周囲上方に大数珠が張り巡らされているのが独特です。その後、6時40分国際仏教塾のご縁で東京都光明園に入られた佐藤蓮洋尼が修行中ですがと言って「お念仏と私」と題し自分の経験と重要と感じる教えをお話しされました。

7時40分朝食後、広いお寺のトイレ、風呂、廊下から各自の部屋迄清掃でした。

8時40分朝の礼拝念仏、9時20分聖歌「念仏七覚支」斉唱。

9時30分千葉県湊済寺住職、大南龍昇大正大学教授が、「自己の真理を追究する教え」と題して、釈尊の教えから始まり、光明主義の教えまでご法話されました。

10分程休憩後、光明会会祖辨栄聖者他歴代物故者およびご回向申し込み者のためのご回向が「聖きみくに」聖歌斉唱を挿んでなされました。その後12時昼食、12時40分お念仏。

12時50分山口県西蓮寺住職、藤本浄彦佛教大学教授は、山崎辨栄講述『宗祖の皮髄』の「浄土の道につくものは、その効果として道程の経験なかるべからず」つまり、念仏の経験が大切として、今後は法然上人と辨栄上人に共通する重なりを深く捉えていく必要がありますと講述されました。引き続き休憩無しで、14時15分東洋大学名誉教授、光明園園主、河波定昌上首は、「根源に還る」と題され、時間の関係で予定より短く約四十分程ご法話されました。「光明主義を通して→法然上人→釈尊→阿弥陀仏に還ることが大切です。そして、最後に人間は念仏三昧出来るように生まれて来た。こんな有難いことはないですね」と結ばれました。それを実行しなければ勿体ないと思われました。

15時雨天のため玄関前で全員記念写真を撮り、15時15分閉会式と「法の糸」聖歌斉唱があり、15時半頃終了しました。光明学園の先生達と参加者が会場の整理整頓に協力して下さいました。念仏中正座の行も大変だったでしょうに7名の若い光明学園の先生方は良く頑張っておられました。今年も続けて若松英輔講師のお話と質疑応答があれば良いのにと思われました。昨年「人数が少なくなっても聖歌を歌ってお念仏をされていることによって救われる人がいますから」と当会を励まして下さったことが思い出されます。お念仏継承が大切なことは勿論ですが、「三相の聖歌」「念仏七覚支」等の聖歌は、世界遺産中の世界遺産であり大切と私は思っています。今回講師の方々だけでなく、参加者の色々なお話しも伺い、交流出来て有意義でした。

合 掌

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