平成28年ご祥当りんご念仏会(第14回)
佐野成昭
11月19(土)から20日(日)長野市法学寺(古田幸隆上人御自坊)にて1泊2日で弁栄聖者ご祥当念仏会を有志主催光明会近畿支部後援で開催しました。全国各地から18名の参加者がありました。日程は最後の表のように実施されました。尚、この集いはリンゴ狩りや東山魁夷画家の森の絵のような山なみ景色や田舎寺の良さが味わえ、長野の善光寺参り等が出来き、初心者に向いていますのでどなたも参加し易いです。
午後1時長野駅に関東、中部および関西から全員が集合しました。相互の挨拶を交わして、3台の車に分乗して十分程で十念寺に参りました。
紫雲山十念寺は源頼朝公開基のお寺です。源頼朝公が善光寺に参詣する途中まで来ると、紫雲がたなびき如来様からお十念を授けられたとのこと。その場所に建立されたお寺です。頼朝公は、父の死以来仏教帰依者になり善光寺保護者です。
袖山栄眞上人の住職ご引退最後の御導師の年に当たり、寺の珍しい須弥壇と丈六阿弥陀仏像の歴史をお話くださいました。古田幸隆師維那によるお念仏と立ち礼拝(三唱礼50礼)を主に唱えました。3時半終了し、海抜3百70mの十念寺から7百10メートルの法学寺へと車で向かいました。
法学寺を目指して車は、高地にある山道を登りました。途中、薄霧に霞むカラマツ林や紅葉の秋の情緒を感じ、赤いリンゴ畑を通過しました。今回丁度雨が止んだ所でしたが、足元が濡れているので翌朝にリンゴ狩りを延期しました。
四時多くのお花と額が飾ってある本堂でしばらくお念仏をさせて頂き、古田上人ご揮毫の米粒名号入りのお守りを頂きました。暖房の効いたお部屋で数種のおいしいりんごと茶菓子を頂きました。東北の大変おいしいお菓子もふるまって下さいました。奥様が最近仙台へ行って東北応援の為に買って来たお土産でした。日はすっかり落ちて外は真っ暗になっていました。次に今日最後の移動先である海抜千メートルの宿に車で薄霧が霞む山道を登りました。
アゼイリア飯綱いこいの村という宿に五時半に着くと、四部屋に分かれ「えんめいの湯」という風呂に入り、6時より夕食を頂きました。お食事を頂きながら歓談しました。自己紹介をして現地の人、数名を含めて各地の人と知りあう事が出来て有意義でした。その後八時半、三階の会議室に移りました。
写仏の時間を8時半から10時まで私が実施させて頂きました。元絵が弁栄聖者の阿弥陀様で、鉛筆と筆ペンによる写し絵写仏です。全部の線が薄灰色の線で描かれた写仏A4サイズ用紙の上から直接なぞり描く簡単な写仏方式です。聖者は直接仏菩薩様が見えていたから紙になぞるだけと聞いています。それに近い書き方です。描き出し始めると皆、真剣シーンとした空気を感じました。完成後、古田師にその写仏と書かれた祈願文を示し、米粒に写仏の祈願文等を書いて頂き、祈願して頂き、その米粒名号を頂きました。
そして、10時過ぎに一部の人は入浴し床に就きました。翌朝5時半に起床し、6時早朝のお念仏のために宿から車で移動しました。外は10度以下のため古田師用意のカイロを使用させて頂きました。今回は温暖化のせいか、今までで一番気温が高い日でした。
智香寺に宿から1分程で到着、何百人も収容出来る近代建築の大伽藍で前田家ゆかりの立派な阿弥陀如来様の前で三礼しました。三礼は重要です。聖者の三礼を見ただけで鈴木上人を惹(ひ)きつけ大きな影響を与えた程で重要です。周囲の壁には、多くの掛け軸が見られ、弁栄上人作の古そうな阿弥陀立像軸もありました。このお寺の本寺が東京都大塚町の智香(智光)寺です。かつて家康の母、伝通院於大の方を荼毘にされた地に建立された徳川家ゆかりのお寺です。大変寒い本堂で電気床暖房はありますが、温まるのは終わりになってからでした。非日常的な中身の濃い念仏体験でした。7時半頃宿へ戻りおいしいバイキング朝食を頂きました。
法学寺のりんご畑へ9時に移動し、りんご狩りを楽しく行いました。沢山のりんごの中からおいしそうなりんごを短時間に必死に取りました。ビニール袋に一杯頂きました。ここまで金田昭教上人の奥様家族五人とほぼ同行動でした。その後、寺に戻り、りんごの包装・発送手続の作業を行いました。おいしい地元のお茶菓子とお漬物で奥様が歓待して下さいました。そして10時より、
弁栄聖者ご祥当念仏会のセレモニーが始まりました。古田幸隆導師の美声のご指導に随って、全員が聖歌「衆会」と「いまささぐ」をヴァイオリン伴奏で斉唱する中を、3人の代表が献灯、献香、献花を行いました。その後お念仏に打ち込みました。
古田導師は、ご祥当会表白として聖者のご略伝を読み上げられました。それを聞きつつ聖者が厳寒中でのご伝道に尽くされたご苦労に思いをはせました。最後に聖歌「法の糸」斉唱、11時半大変お世話になった法学寺様と別れを惜しんで車に乗り込みました。
そして例年通り、昼食のため檀家さんの営む蕎麦料理店へ移動しました。運ばれて来る一品一品に舌鼓を打ち、そばで作ったおいしいケーキのデザートに至るまで蕎麦づくしの美味しい料理でした。
14時半ここで解散後、何名かは善光寺を参拝されました。今年も2日共楽しく充実して行事を終えることが出来ました。古田後任住職は言うまでもなく、ご家族、お弟子の浄光尼様と皆様のご親切とお力添えのお陰と心から感謝申し上げます。来年も11月第三土曜開催の予定です。