佐野 成昭
11月17日(土)から18日(日)長野市法学寺にて1泊2日でりんご狩りと弁栄聖者ご祥当念仏会を開催しました。関西、中部、関東各地区から17名の参加者がありました。初参加者が、広島から2名、横浜から2名ありました。
午後1時長野駅に東西から参加者が集合しました。相互の挨拶を交わし、3台の車に分乗して十念寺に向かいました。
紫雲山十念寺は源頼朝公開基のお寺です。その名の示すように源頼朝公が善光寺に参詣するため途中まで来ると、紫雲がたなびき如来様からお十念を授けられたとのこと。その場所に建立されたお寺です。平家に源氏一門の父兄弟を殺されて以来、頼朝は毎日念仏回向をよく称えています。仏教に熱心で、火災を受けた善光寺の再建もされました。
このお寺には、高さ5m程という大きな阿弥陀如来像と徳本上人の名号石碑があります。そこで奇数月に行われている「只一向に念仏する会」と合流させて頂きました。袖山住職は不在でしたが、古田幸隆上人維那によるお念仏と立ち礼拝(三唱礼50礼)を唱え、3時半に終了し、法学寺へと向かいました。
法学寺のりんご畑を目指して車は海抜約400mから700mの高地にある山道を登りました。途中、カラマツ林や赤と緑のりんご園を見ながら進みました。お寺のりんご園に着くと、赤いおいしいりんごをビニール袋に一杯に取らせて頂きました。
法学寺様に上がらせて頂き、暖房の効いたお部屋で3種のおいしいりんご、つけものと茶菓子を頂きました。今年はご尊父前住職が遷化されましたが、その奥様と現住職の奥様が接待して下さいました。午後5時頃になり日はすっかり落ちて、あたりは真っ暗になった中、本堂でしばらくお念仏をさせて頂き、古田住職ご揮毫の細字名号が書かれた米粒入りのお守りを頂きました。毎年頂くのが楽しみとなっています。次に今日最後の移動先である海抜千メートルのいこいの宿にクマ、キツネや鹿の出ることがある山道に沿って向かいました。
アゼイリア飯綱いこいの村という宿に6時過ぎに着くと、広い部屋で6時半より夕食を頂きました。宿の心づくしのお料理はおいしく、今回天ぷらの増加サービスもあり、お料理は食べきれない程でした。お食事を頂きながら歓談しました。その後8時、三階の会議室に移りました。
写し絵写仏の時間を私が9時まで行いました。鉛筆と筆ペンによりなぞり描きする簡単写仏です。弁栄聖者作の六字名号の入ったB5サイズ二種類の阿弥陀仏のどちらかを選んで描いて頂く写仏写経方式です。聖者は直接仏菩薩様が見えていたから紙になぞるだけと語っておられたと聞いています。それに近い書き方です。薄い線で形が現れています。今回大変上手に描けた方が何人もいて驚かされました。写真のように上手に描けました。更にお願い事を書き加えて頂き、私が見て、次に古田師に見て頂き、その祈願を込めた米粒名号を書いて頂きました。その米粒と写仏で将来仏縁が頂ける可能性があります。「聖者は、如来様のお顔をお盆(・月)に眼鼻をつけただけでも良いからイメージしてお念仏しなさいと言いました。写仏をすることにより仏様のイメージが出来、それに従いお念仏が深まり易いです。特に独特の吊りあがり目が聖者の特徴で「威神光明最尊第一」を現しているので重要です」と説明して皆様に描いて頂きました。
その後、10時頃迄に入浴し6部屋に分かれて床に就きました。翌朝5時半起床し、6時早朝のお念仏のために宿を車で移動しました。古田師用意のカイロを使用させて頂きました。
智香寺(ちこうじ)に1分程で到着、何百人も収容出来る大伽藍で前田家ゆかりの立派な阿弥陀如来の前で三礼しました。このお寺の本寺が東京都大塚の智香(智光)寺です。かつて家康の母、伝通院於大の方を荼毘にされた地に建立されたお寺です。阿弥陀経を血書したり、お念仏された於大の方の法名の一部「智香」がその名の由来です。4度程でしんしんと冷え寒い中、ほとんどの人が防寒着で懸命に声を出してお念仏をしました。体も心も引き締まり良い修行となりました。
7時半宿へ戻りバイキング朝食をおいしく頂きました。9時宿を出て法学寺へ向かいました。そして法学寺でりんごの包装発送手続の作業を行いました。その後、おいしいお茶菓子で休憩し、10時いよいよ、弁栄聖者ご祥当会のセレモニーが始まりました。古田幸隆導師のご指導に随って、全員が聖歌「衆会」と「いまささぐ」をヴァイオリン伴奏で斉唱する中を、3人の代表が献灯、献香、献花を行いました。その後礼拝、お念仏に打ち込みました。そして、古田導師は、聖者の極寒極暑無休のご伝道に尽くされたご苦労を思い聖者のご略伝を読み上げられました。そして、聖者から参加者迄のご回向され、「法の糸」を皆で斉唱・三礼し終了しました。
11時半、大変お世話になった法学寺の皆様方と車上から手を振り別れを惜しんでお別れしました。
そして例年通り、昼食のためお檀家の店、蕎麦料理店へ移動しました。十割そばは各別で、一品一品に舌鼓を打ち、デザートに至るまで蕎麦づくしの美味しい料理でした。一年ぶりの蕎麦粉製ケーキは珍しく、おいしかったです。この後、半数は、午後2時半から善光寺参拝に参り、他は長野駅まで送って頂きました。
関東と中部の方、また、関西の方同士が色々お話が出来て良い交流の場になりました。横浜から来られた初参加の方は、毎日良い節を付けて観音経と阿弥陀経を称えておられ、今回の単純な念仏にも「微妙な音楽的なメロディ―が感じられ、ヴァイオリン伴奏の聖歌と古田上人の美声の歌も良かった」とのことでした。
その25歳の息子さんは「初めての写仏が良かった。その作品を家に飾りたい」と言っていました。古田上人のお経や念仏の声が良い・魅力と言う方は他に多くおられました。広島からの初参加者は、「お念仏で得られたものがあった。来年も、是非参加したい」と述べていました。また、長野市浄土宗信者の部分参加の方は、聖歌の多いご祥当会を「初めて参加して大変良かったのですが、これはどういうものなのですか?」と訊かれたので「これは光明会式です。聖歌も活用されています。」と答えました。気に入って頂けたようでした。
楽しく語り合った皆様ともしばしのお別れとなりました。本行事が楽しく充実して終えることが出来ましたのも古田住職は言うまでもなく、ご家族、お弟子の浄光尼様と皆様のお力添えのお陰と心から感謝申し上げます。参加者が、これをご縁にこの魅力を初心者に伝え、勧誘されることを祈念申し上げます。
合掌