光明の生活を伝えつなごう

他場所だより

第17回 令和元年ご祥当りんご念仏会

佐野 成昭

 11月16日(土)から17日(日)長野市法学寺様にて一泊二日でりんご狩りと弁栄聖者ご祥当念仏会を開催しました。山陽、関西、中部、関東各地区から二十二名の参加者がありました。初参加者が、二名いました。今回神戸の視覚障害者の方を神戸のにわかニックネームの「チコちゃん」が連れて来られ賑やかになりました。
 午後一時長野駅に東西から参加者が集合しました。相互の挨拶を交わし、4台の車に分乗して今年は従来の十念寺に代わって弁栄上人百回忌にふさわしい静松寺に向かいました。
 頼朝山静松寺は源頼朝公命名・保護のお寺で、明治四十三年弁栄上人が一ヶ月逗留されたお寺です。弁栄上人の信者を長野善光寺参拝に連れて行く等の目的で来られ、この寺で釈迦三尊三体の掛け軸を描かれて五重相伝を開かれました。他にも楊柳観音の掛け軸を描かれ、それらを拝観させて頂きました。また、この庭の桜の木の実で現在使用の十二光仏の念珠を考案されました。他にもご遺品が有り、書類の間から弁栄上人のあご髭が発見され、古田・金田両師他が所持されています。尚、九三三年開基のこの寺は、上杉武田の古戦場にあり、当時消失し再建されました。現在千名以上の檀家を有する大きく立派なお寺です。場所は、法学寺へ行く途中の葛山の麓海抜五六〇mにあります。
 法学寺のりんご畑を目指して車は海抜約七〇〇mの高地にある山道を登りました。途中、カラマツ林や赤と緑のりんご園を見ながら進みました。お寺のりんご園に着くと、台風被害が無く、赤いおいしいりんごをビニール袋に一杯に取らせて頂きました。今年は例年より暖かい日々が続いたせいで十二月になって完熟するとのことでしたが、蜜と甘さはありました。
 法学寺様に上がらせて頂き、暖房の効いたお部屋で三種のおいしいりんご、みかん、柿、つけものと茶菓子を頂きました。ここで、古田住職はお葬式手伝いのため静松寺へ行かれました。そして、本堂でお念仏をしばらく称え、古田住職ご揮毫の名号が書かれた米粒入りお守りを頂きました。それから各自のりんごの包装をしました。5時日はすっかり落ちて、今日最後の移動先である海抜千メートルのいこいの宿にクマ、キツネや鹿の出ることがある山道に沿って向かいました。台風の影響で倒木がよく見られました。
 アゼイリア飯綱いこいの村という宿に5時半に着くと、2階の広い部屋で6時半より夕食を頂きました。宿の心づくしのお料理はおいしく、天ぷらの増加サービスもあり、お料理は食べきれない程でした。お食事を頂きながら歓談しました。その後8時古田上人も食事に戻られて、随時三階の会議室に移りました。
 写し絵写仏を私が9時迄行いました。鉛筆、蛍光ペンと筆ペンによりなぞり描きする簡単写仏です。弁栄聖者作の六字名号の入ったB5サイズの阿弥陀仏様と観音様のどちらかを選んで描いて頂く写仏方式です。聖者は直接仏菩薩様が見えていたから紙になぞるだけと聞いています。それに近い書き方です。薄い線で形が現れています。大変上手に描けた方が何人もいて驚かされました。写真のように上手に描けました。更にお願い事を書き加えて頂き、古田上人に見て頂き、その祈願を込めた米粒名号を書いて頂きました。その米粒と写仏で仏縁が頂ける可能性があります。聖者は、如来様のお顔をお盆に眼鼻をつけただけでも良いからイメージしてお念仏しなさいと言いました。写仏をすることにより仏様のイメージが出来、それに従いお念仏が深まり易いです。特に独特の吊りあがり目が聖者の特徴で「威神光明最尊第一」を現しているので重要です。
 その後、10時頃迄に入浴し9部屋に分かれて床に就きました。翌朝5時半起床し、6時早朝のお念仏のために宿を車で移動しました。古田上人用意のカイロを使用させて頂きました。
 智香寺に1分程で到着、何百人も収容出来る大伽藍で前田家ゆかりの立派な阿弥陀如来様の前で三礼しました。このお寺の本寺が東京都大塚町の智香(智光)寺です。かつて家康の母、伝通院於大の方を荼毘にされた地に建立されたお寺です。阿弥陀経を血書したり、お念仏された於大の方の法名の一部「智香」がその名の由来です。八度C程でしんしんと冷え寒い中、殆んどの人が防寒着で懸命に声を出してお念仏をしました。体も心も引き締まり良い修行となりました。
 7時半宿へ戻りバイキング朝食をおいしく頂きました。9時宿を出て法学寺へ向かいました。そして法学寺でりんごの発送手続きの作業を行いました。その後、おいしいお茶菓子で休憩し、10時いよいよ、弁栄聖者ご祥当会のセレモニーが始まりました。古田幸隆導師のご指導に随って、全員が聖歌「衆会」と「いまささぐ」をヴァイオリン伴奏で斉唱する中を、3人の代表が献灯、献香、献花を行いました。その後礼拝儀を唱え、お念仏に打ち込みました。そして、古田導師は、聖者の極寒極暑無休のご伝道に尽くされたご苦労を思い聖者のご略伝を読み上げられました。そして、聖者から参加者迄のご回向され、「法の糸」を皆で斉唱・三礼し終了しました。今回はお念仏の時間が長めでした。
 十二時前、大変お世話になった法学寺の皆様方と車上から手を振り別れを惜しんでお別れしました。そして例年通り、昼食のため檀信徒の店、蕎麦料理店へ移動しました。十割(百%)そばは各別で、一品一品に舌鼓を打ち、デザートに至るまで蕎麦づくしの美味しい料理でした。一年ぶりに蕎麦粉製ケーキは珍しく、おいしかったです。この後、半数は、午後2時過ぎから善光寺参拝に参り、他は長野駅まで送って頂きました。
 関東と中部の方、また、関西の方同士が色々お話が出来て良い交流の場になりました。広島からの参加者は、「お念仏で得られたものがあった。来年も、是非参加したい」と述べていました。
 楽しく語り合った皆様ともしばしのお別れとなりました。本行事が楽しく充実して終えることが出来ましたのも古田住職は言うまでもなく、ご家族、お弟子の浄光尼様と皆様のお力添えのお陰と心から感謝申し上げます。参加者が、これをご縁にこの魅力を初心者に伝え、更に勧誘されることを祈念申し上げます。合掌

  • おしらせ

  • 更新履歴

  •