光明の生活を伝えつなごう

近畿支部だより

近畿支部 平成18年9月

古知谷別時念仏会に参加して

吉水 英之

初めて光明会の別時念仏会に参加させて頂きました。(7月21日~24日)きっかけは、大正大学の後輩である金田昭教上人の誘いでした。彼とは先輩後輩の関係というよりも親しい友人といった方がしっくりくる間柄で、俗的な会話だけでなく、浄土宗の僧侶はどうあるべきか等の真面目な話を熱く語り合うことができる貴重な友人の一人であります。その彼がよく別時に参加しており、その感動を味わっていることもあって、何度か誘ってくれたのですが都合が合わず、やっと今回参加できたという次第でございます。

別時は京都の古知谷の阿弥陀寺でした。大原までは何度か行ったことがありましたが、その先の古知谷は初めてでした。ここはバスも1時間に1本くらいしかこないような山深い場所で、俗世間の静寂な聖地であり、何もかも忘れてお念仏に集中するのに最も適した素晴らしい環境でした。

着いてすぐに本堂から木魚の音と高らかな念仏の声が聞こえてきました。僕らより早くに着いた方がもうすでにお念仏を始めていました。急いで黒衣に着替えて道場に足を踏み入れると、三昧仏に向かって一心に阿弥陀様に思いを掛けてお念仏を称えている方々の後ろ姿が見え、すぐさまその熱気を感じ取ることができました。その後4日間、仏様に向かって参加の方々と一緒にお念仏を称えるとさらにその熱気を強く感じました。それは今まで体験したことがないような熱気であり、そこにいた人達一人ひとりの阿弥陀様に対する非常に厚い信仰心から湧き出たものでした。これに対して自分自身のことを振り返ってみると、情けないことに浄土宗の僧侶であるにもかかわらず、毎日のお念仏の時間が短く、阿弥陀様との深い関係を築けていないのが現状であります。

また私は「毎日1時間くらいはお念仏しよう」と決めることがよくあるのですが、寺務所で自分が忙しくない時はそのお念仏が出来ても、それが忙しくなったりするとお念仏が出来なかったり、単純に怠け心によってお念仏をしなかったりして続かないことが度々あります。このような結果になってしまうのは、この念仏会に参加していた方々と比べて阿弥陀仏に対する気持ちが弱い、信仰心が薄いからでありましょう。そんな信仰心の薄いお坊さんが檀信徒の方々などに「どうかお念仏をお称えして下さい」と語ったところで何も伝わりません。やはり、浄土宗の僧侶である以上、毎日、24時間のうち少しでも多く阿弥陀様との関係を築くこと(=お念仏の相続)が必要であると思います。

この別時念仏会に参加しようと思った理由の一つには、金田上人から常々伺っていた信仰心の厚い方々の姿を直接見て刺激を受けることによって自分自身の進行生活を反省し、自分を変えたかったというものがありました。確かに、そこに来ていた人達は皆、信仰心が厚く自分の見本となる方々ばかりでした。それは道場でのお念仏をしている姿はもちろんのこと、食事の時、お風呂の時、生活する部屋にいる時、休憩する時、寝る時など、行住坐臥自然に「南無阿弥陀仏」と口から出るという本物の念仏者といえる人達でした。そういう姿を目の当たりにすると、普段から常に阿弥陀様思いの生活を送っているのだと分かりました。

僧侶の方々は思っていた通りの尊敬できる素晴らしい念仏者であったのですが、私は特に僧侶ではない一般の人達の真摯な姿に驚愕すると共に感動致しました。それと共に「自分は僧侶であるのに情けない」という気持ちになりました。本来なら教え導く立場であるのに教えられる立場の方々に逆に教えられました。また、常日頃お念仏をお称えしていることによって阿弥陀様にお守りされているからなのか、どの人も親切で温かく内面が清らかで、それが表情にも表れていました。

振り返ってみると、古知谷での4日間は、非常によい刺激になりましたし、本当に充実した日々でした。何よりも正直、今までにこんなにも長い時間お念仏を称えたことはなかったですし、一日中阿弥陀様を思うことはありませんでした。これは阿弥陀様が不甲斐ない私にこのような素晴らしいご縁を与えて下さったのだと思っております。ですから今後、この感動に浸るだけでなく4日間の貴重な経験を生かし、日々のお念仏を怠らず努力精進していくと共に、自分自身が感じたお念仏の素晴らしさを人々に伝えていきたいと思います。

最後に感謝の気持ちを述べさせて頂きます。導師の川本上人、近畿支部事務局長の江島上人、維那の古田上人、友人の金田上人等僧侶の方々、また古知谷念仏会に参加された一般の方々、素晴らしい環境を提供して下さった阿弥陀寺の方々には大変お世話になりました。さらには、お風呂を沸かして下さったり、お茶やお菓子を出して下さったり、美味しい食事を作って下さったり、その他身の回りの世話をして下さった方々がおられたからこそ何不自由なくお念仏に集中できました。厚く御礼申し上げます。本当に有難うございました。

また機会があったら是非このような別時念仏会に参加したいと思います。

合掌

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