光明の生活を伝えつなごう

近畿支部だより

近畿支部 平成19年4月

聖者ご生誕別時念仏会

関口 高

◇日時 2月20日(火)
◇場所 大阪・地蔵寺
◇導師 西徹空上人(福岡・種善寺住職、59歳)
◇出席者 31名
◇主催 近畿支部

一、あさの礼拝、念仏三昧、くれの礼拝

維那・佐野成昭師

二、聖歌斉唱

「弁栄聖者御降誕歌」「光化の心相-清浄光」。(伴奏・鈴木美津子様)

三、法話

講題は「十二光仏のお話-無量寿仏、無量光仏、無辺光仏、無礙光仏」。(以下その要旨)

①無量寿仏
「本有法身阿弥陀尊 迹を十劫に垂れ在し 本迹不二なる霊体の 無量寿王に帰命せん」
「本有法身阿弥陀尊」とは、法性法身であり、「迹を十劫に垂れ在し」とは方便法身である。
法蔵菩薩のお話(無量寿経)。現在の浄土宗学では、方便法身に議論を集中しておられるように思われる。「本迹不二なる霊体の 無量寿王に帰命せん」とは、本迹不二で「法身、報身、応身の聖き名に帰命し奉る」と同じ意味であり、三身即一。無始無終、永遠に在り通しの如来様である弁栄聖者は、仏身(本尊)論への展開に極めて積極的であった。超在一神的汎神教を目指された。往生論註に曰く「法性法身より方便法身を出し、方便法身によって法性法身を顕す」と。佐々木為興上人の遺文集の中に、「法性法身とは、本有常在に在しますところの本有法身阿弥陀尊である。即ち阿弥陀様とは後からお出来になった方ではない。本有無始の存在である。しかしながら、かくの如き我々衆生を救うという法としての存在ではあるが、そこに力がない。浄土教的に申しますれば、本願はあったが本願力がない。そこで方便法身が此の世に出でまして、初めて衆生を救うという力が出たのであります。」と。
②無量光仏(体大)
「十法三世一切の 法報応の本地なる 独尊統摂帰趣に在す 無量光を頂礼す」
「法報応の本地なる」とは、如来様は大宇宙を身と心としての統一体で、如来の在しまさない処はない。弁栄聖者は「法身体大にして絶対無限、処として在らざる処なき故に、無量光と名づく」と仰せられた。(人生の帰趣)。また、無量光に在します阿弥陀仏が、法身、報身、応身の三身即一の如来で在しますと共に、また更に、その阿弥陀仏が、独尊、統摂、帰趣でも在しますことを説かれた。山本空外上人は「無限の限りないホトケ様に対しては、私ども凡夫は、如来様のみ名を通してホトケ様を念ずるほかはない」と。したがって、「法身、報身、応身の聖き名に帰命し奉る」のである。ミオヤの三身は、法身は生みの御親、報身は育ての御親、応身は教えの御親。独尊とは根本。摂とは統一摂理、中心。帰趣とは終局、目的である。私共の身体も如来様のお身体である。「勿体ない」という言葉は、有難い言葉である。大原問答の中に「至極大乗の意は体のほかになし」と。名を呼べば(念仏)、その体が名の処に一つに在します。称名念仏は如来様と一つにとけ合うのである。
③無辺光仏(相大)
「如来無辺の光明は 四大智慧の相にて 遍く法界照しては 衆生の智見を明すなり」
「如来妙色身、如来色無尽、智慧亦復然」
「四大智慧(四智)」は、「私(西上人)には難しい。説明を勘弁して下さい」と申されました。(四大智慧とは、成所作智、妙観察智、平等性智、大円鏡智)。ただ、弁栄聖者は「智慧相大にして、普く法界に遍し、霊活し、真実の智慧に目覚めてゆくのである。
中川察道上人のお歌に「色もまた香もなき智慧のみ光は、色香をそえて子等を招きつ」。
④無礙光仏(用大)
「如来無礙の光明は 明聖正義恩寵の 霊徳不思議の力にて 衆生を解脱し自由とす」
用とは働きである。無量光(体)、無辺光(相)、無礙光(用)で、この三光を体、相、用の三大と称する。阿弥陀およびそのはたらき(用)であるところの光明は、あらゆる障碍を超える自由無礙であると同時に、その光明は、また、わたくしたち衆生をあらゆる束縛から解放し自由となさしめたまうのである。神聖、正義、恩寵の三徳によって私たちを解脱せしめている。弁栄聖者は、「道徳法の根本は・・・如来の神聖が、人の道徳心の基礎となる」と仰せられた。聖徳太子は、仏教精神を基にして政治をおさめられた。「仏・法・僧の三宝を敬うべし」と。

四、主催者あいさつ

支部長・江島秀法上人(京都・常楽寺住職)が、講師・西徹空上人と参会者、お世話方に御礼を延べられた。来る5月19日・20日の本部主催「法のつどい」(京都・百萬遍知恩寺)と支部主催の4月別時の案内をされた。

五、付記

西徹空上人は若き時、別府信空上人の法然寺(広島県瀬戸田町)で、江島秀法上人達と念仏三昧と農作業に修練された方で一本、骨・スジが通っておられます。ご法話では、ご自身が見聞きされた多くの実例をあげて、丁寧に説明されました。難しい法語を補足された訳であります。
現在、九州支部では若手中堅の上人を総動員して年間計画で巡回伝道を積極的に展開しておられます。教えることは教えられるということであります。本年度からは、中国四国支部とも連携しての企画を発表されました。高齢化と会員減少傾向の光明修養会にあって、誠に明るく頼もしいニュースであります。

  • おしらせ

  • 更新履歴

  •