光明の生活を伝えつなごう

近畿支部だより

近畿支部 平成20年1月

初期の礼拝儀について

佐野 成昭

平成18年10月の近畿支部教学布教研修会で藤本浄彦講師上人がご講話の中の一部で光明会初期の礼拝儀について言及されました。
お上人が以前住職されていた京田辺市の三宝寺で見つかったものです。
「よく出来ていて、現在の礼拝儀もそのように作るとよいのだが…」と、その礼拝儀を示されながらお話されました。
今回お上人が私佐野にその初期礼拝儀について別途に原稿を書くように依頼されましたので、筆を次のように執ります。

礼拝儀は、弁栄聖者ご遷化12年後の昭和7年2月20日印刷のものです。その特徴は

  1. 唱(称)え方が分かるように朱色の符号(ふしはかせ)が本分の右横につけられている。
  2. 「念珠の説あかし」と題して光明会数珠の説明が十二光の説明とともに8頁にわたって説かれている。
  3. 「御名号の称え方」と「木魚の打ち込み方」の説明文がある。

この3点が現在の礼拝儀にないものであり、良く出来ていた。更に、礼拝儀本文の前の頁に「辯榮聖者御親筆入譜の一部 湯地家所蔵」と付記された礼拝儀の「歎徳章」の写真が載せてある貴重な資料である。

その礼拝儀の符号は少なく、本分の左右横につけられていて「三垢消滅し身」まで写されています。それらの符号は、礼拝儀本文とほぼ合一するようだが、本文の方が細かく、全部一音毎についている。この本文の符号を称えてみると所どころ現在の称え方と一致しない。例えば、11字目から「無量寿如来の」は「中」音と初めに右横に記載され、ふり仮名の「り」の右横に「レ」と符号が記され、音程を下げるように指示してある。しかし、鈴木憲栄上人や江島孝導上人のテープを聴いても下がっていないし、現在我々も下げていない。他にも所々食い違っていて、現在より複雑な音程の符号がついている。

また、最後より三行目の「如くならん」の「ん」は、現在のように音程を下げずに、同音程のままになっている。(最後にこぶしが僅かについてはいるが)。これは、昭和53年鈴木上人が「礼拝儀の称え方」のご法話で下げるなと特に指摘注意されている。他の頁の「至心に帰命す」等は、要所要所に符号がついていて、一部現在の称え方より、下げる個所が所どころある。「十二光の讃礼」部は、楽譜を見るように付記されてあり、この部分のみ現在と変わらない。

以上から、現在と変わっている所が所どころあり、どちらかというと複雑であった。このことは現在の称え方が単純化されていることになる。直ちにこの礼拝儀の符号を現代で実施することは困難である。また、この符号自体も現在の浄土宗の表記と少し異なり、完全に読める人は少数と思われる。しかし、貴重な資料として参考になる。

礼拝儀の称え方を次世代に一定に保って伝えていくには、テープ(特にパソコンを利用する)CD、デジタルプレーヤー等で伝えて行くことが、ベストと思われる。パソコンは簡単にお経も法話も保存でき、著作権で合法であればコピーも簡単に製作しうる。

直弟子が亡くなり、その弟子も高齢化し、節も少しずつ変わり、その後継の後継の世代に移っている現代では、礼拝儀の称え方がくずれ危うくなってきている。そこで現代において得られる録音のCDを作成して、それを参考に聴き、固定化していくことが良いと思われる。

光明修養会の評議委員会でも辻本光信評議員から録音作成の要求があり、直弟子鈴木上人と元理事江島導上人の録音をCDにして、辻本評議員、金田隆栄九州支部長、鶴山恒教事務局員にコピーを渡してある。事務局では販売しないが、欲しい方は実費で私がコピーを希望者にお送り出来る。

最後に直弟子または、その弟子の正統な礼拝儀の録音テープ、または、布教に使用出来る重要な法話や聖歌録音があれば、著作権を聞いて私がCDに変えることが出来るのでまずは詳細ご一報をお願いします。

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