光明の生活を伝えつなごう

近畿支部だより

近畿支部 平成25年9月

近畿支部夏期別時会

安宅川 佳子

近畿支部主催の夏期別時念仏会が、7月19日(金)1時半から22日(月)午前9時半まで、3泊4日の日程で行われました。会場は法然上人ご誕生の聖地、岡山県久米南町の誕生寺です。

連日の猛暑が続く中、誕生寺山門をくぐると銀杏の大木があり、青々とした葉の陰にすでに大きな実がいくつも成っていました。念仏会場の部屋は、隣接の樹木のせいか涼しく平均27度程でした。ただし、湿度は高目でした。

和歌山から夫と車で参りましたので、まず誕生寺駅へ古田幸隆導師をお迎えにあがりました。古田師は例年通り大きなキャリーバッグを持たれて、にこやかな笑顔で無人駅に降り立たれました。

誕生寺でのお別時は今回で3年目になります。広い境内の中の奥まった静かな部屋は、お念仏には最高の環境でした。

初日参加者は11名。開会式、お念仏の前後の間に、川本剛空上人のご法話(後述)2時間を拝聴しました。5時半より夕食と入浴、7時半より念仏、9時半就寝。2日目は5時起床、5時半よりお念仏、7時半より本殿参拝。お勤めの後、ご住職より誕生寺の由来についてお話を伺い、貴重な法然上人像と対面拝観させて頂きました。八時朝食の後9時から朝の礼拝とお念仏。昼食の後、1時から休憩を挟んで5時半迄お念仏。夕食入浴の後、7時から9時迄夕の礼拝とお念仏。9時就寝。

3日目の起床は4時半、4日目は4時。それに従って朝のお念仏の時間は長くなりました。雑念と足の痛さ等に悩まされながらも、お念仏させて頂いている間には、普段の日常では忘れてしまっている大事なこと…守られていること、既に救われていることを、実感いたしました。1時間~2時間半のお念仏を繰り返し集中させて頂きました。

最終日は、朝のお念仏の後、ご回向、閉会式。本殿参拝後、清掃。八時朝食と反省会。

お念仏の前に弁栄聖者のご法語をお示し下さり、長時間のお念仏をご指導して頂きました古田幸隆師、会全般を御世話下さり、聖歌の折には美しいヴァイオリンを弾いて下さった佐野成昭師、そして、誕生寺様の宿泊食事等に対する格別のおもてなしを心より感謝申し上げます。

「昨年よりお念仏の声が出ていましたね」と帰り際古田師からお声をかけて頂けたことは、何より嬉しいことでした。お別時参加の回を重ねるごとに、より深くお念仏に精進させて頂きたいと願いつつ、帰途につきました。

合 掌

kinki1309

「礼拝儀」と題する川本剛空上人のご法話の概要は、筆者、佐野成昭が次のように理解しました。

礼拝儀は、笹本上人が聖者の方言を修正されて出来ている。礼拝儀を読むと学問上や日常の疑問がよく解ける。

一、光明主義は、一頁目の「法身報身応身の聖き名に帰命し奉つる」

この文章によく表されている。聖者は、暮れの礼拝よりもあさの礼拝をよく使用された。

物事を考え判断するには、総合的判断と分析的判断があります。

聖者の「如来性」の説明で、三角形頂点に位置する如来性から三角形の右斜辺を降りて底辺にいる衆生性が我々。しかし、その中間に世界性(宇宙・地球)がある。これは分析的判断である。

次に衆生性が如来様に育てられ、底辺の左端から衆生が如来性へ帰り昇る方を総合的判断と言う。

前述の右下に降りる分析的な考え方は、聖道門的、科学的である。

左下か昇る方の総合的な考え方は浄土門である。

二、聖者は無量寿経に力点を置いている。念仏する主体がどうなって行くかを考えた。

特に三相五徳である。これは、ある日お釈尊のお顔が威厳に満ち輝いていたのを、弟子の阿難が、なぜそんなに輝くのか釈尊にお聞きする部分である。

三相とは、諸根悦予 姿色清浄 光顔巍巍
礼拝儀の「三相の聖歌」に表されている。
五徳とは、聖者の十二光の内、清浄光・歓喜光・智慧光・不断光の四徳と総徳の五つである。
礼拝儀の「光化の心相」に表されている。

報身の報いの身とは、形も姿もある。だから聖者は、お絵像をかかげてお念仏をすすめた。

念仏七覚支の一番の句、「端正無比の相好(みすがた)を御名を通して念ほえよ」ということです。御名には名義具足と名体不離の働きがあります。

以上ですが、今年は、山本空外上首上人と佐々木隆将上首上人の十三回忌、および鈴木憲栄副首上人の二十五回忌であり、一同特別にご回向申し上げました。また、参加者と参加出来なかった近畿支部の寄付協力者に対してもご回向申し上げました。尚、今回初参加者の女性は、お念仏で何か気づき、仕事に役立つと感じたと感想を述べていました。

合 掌 佐野成昭拝

徳林院「光のつどい」

岩月 卓朗

豊中市の徳林院主催による恒例の別時念仏会は、今年から新たな試みとして、従来の念仏会の方々と徳林院の檀家の方々もご招待され、会の名称も「光のつどい」と新たにしました。今回は猛暑の折にも拘らず、早朝より総勢65名のご参加を得て7月17日に盛大に開催することができました。

今年は先代の故佐々木隆将上人ならびにご令室様の13回忌に当たり、昨年春に新築された本堂で、午前10時より住職の佐々木隆晶師が導師として、ご両親の追善法要を厳かに勤められ、更に東日本震災被災者の追悼回向をし、最後に一同で「如来光明歎徳章」を称え法要は無事に終了しました。

11時より大願寺金田隆栄上人より「阿弥陀経図絵」を講題とするご法話を拝聴しました。その概要は次のような内容でした。

阿弥陀経図絵は、山崎弁栄聖者が大正5年を最後に27万部印刷し、全国に配布された。金田隆栄上人は、その図絵を拡大し、彩色して皆さんに見せてお話しされた。そこに描かれているように生死の一大事を明らかにしています。また、「諸仏護念経」と言い、この絵のように諸仏諸菩薩が念仏者を守り、その家から悪人や鬼が退散します。

人が死んだら体は、自然に還り終わりと言うが、そうではない。人は新しい自分に生まれ変わるのです。魂は生まれ変わるのです。だから死は怖くない。人は死んだら、阿弥陀経図絵のように極楽に行き、阿弥陀様にお会い出来る。

また、先に極楽に先立たれたあなたにご縁のある立派な方に会うことができる。極楽の蓮の連座の半分を空けて待っていてくださいます。1日ないし7日間お念仏を称えると、極楽から阿弥陀様、菩薩、天神様方が迎えに来て下さるのです。但し、家族や財産、自分の命、死んだら良い所へ行きたいという願望のどれかに執着する人は行けません。「生きらば念仏の功積もり、死なば浄土に参りらんとてもかくてもこの身には思い患うことぞなき」。極楽を信じる人はなかなか無いが、本当にあるのです。また、阿弥陀経は、釈尊が、問われないのに自ら説法された特別なお経です。(概要は佐野成昭師の記述による。)
正午 昼食
13時 池末 信とその仲間の「光のコンサート」を開演

池末信さんは故佐々木陸将上人のお孫さんで、米国ボストンのバークリー音楽大学にて作曲、編曲、指揮法等を学び、卒業後帰国。東京スクールオブミュージック専門学校副校長に就任し、また大阪、福岡、名古屋、仙台等々にある同系校の副校長として音楽教育に専念されております。一方、ご自身はゴスペルディレクター、そして歌手として自ら率いるゴスペルグループの「ソールマテックス」でその声とパフォーマンス力は、「奇跡の声」を持つ日本を代表するグループとして国内外で高い評価を受けています。

今回は、徳林院本堂で一時間余にわたりグループの数々の素晴しいオリジナル曲や、有名な千の風、アメージング・グレース等を演奏されました。温かく癒しのある声には心を打たれ、またダイナミックな歌唱力には感動しました。さらに浄土宗歌の「月影」ならびに、仏教歌の「三帰依」をゴスペル調に編曲し歌われましたが大変好評でした。

池末さんの気さくな人柄と、ゴスベルグループの六人のメンバーの明るく朗らかな雰囲気と舞台演出が、会場の皆さんに好い印象を醸し出し、皆で打ち解けたコンサートを楽しむことが出来ました。

更に、当日ご来場頂いた矢野司空上人に佐々木隆晶住職から尺八の吹奏を突然ながらお願いし、快く一曲演奏をして頂きました。心に響く尺八の音色は特別なものでした。

15時記念写真撮影と本堂一階で茶話会。

遠方よりお越しの方が多く、茶話会では残念ながら纏まった話も出来ずそれぞれ帰路に就かれました。

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