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他場所だより

他場所 平成21年1月

聖者ご祥当リンゴ念仏会

佐野 成昭

11月15日より一泊二日の日程で弁栄聖者ご祥当リンゴ念仏会を信州で開催しました。関西、中部、関東各地区から20名の参加者がありました。JR長野駅、午後1時に西から東からほぼ全員が揃いました。相互の挨拶を交わして、四台の車に分乗して紫雲山十念寺(長野市西後町)に向かいました。源頼朝公ゆかりのお寺です。公が善光寺に参詣するため途中まで来ると、紫雲がたなびき如来様からお十念を授けられたという由来の場所に建立されました。そこで毎月行われている「只一向に念仏する会」に合流参加させて頂きました。古田幸隆導師によるお念仏と立ち礼拝(三唱礼五十礼)を唱えました。

3時近くになりましたので、落ち着いた雰囲気でお念仏させて頂いた感謝の気持ちでご本尊さまにご挨拶をして、法学寺(同市上ヶ屋)へと向かいました。車は海抜千数百㍍の高地にある法学寺を目指して山道を登りました。途中カラマツ林やみごとな紅葉に深まりゆく秋の情緒を感じながら、法学寺様のリンゴ畑に到着しました。真っ赤な実をつけたリンゴの木々に感嘆の声が上がります。各自がビニール袋を手に、童心に返ってリンゴ狩りに熱中しました。雨が降り始めて来ましたが、リンゴ狩りが無事出来きたことに感謝して、急いでお寺様へと向かいました。

本堂でしばらくお念仏をさせて頂き、古田上人の米粒名号入りのお守りを頂きました。赤と紫色の立派な袋に納められたお守り、毎年頂戴するのが楽しみとなっています。さらに庫裏に下がって来ますと、暖房の効いたお部屋でリンゴやおいしいお漬物が準備されていました。

ご母堂様、奥様、妹様のおもてなしを温かく感じ、楽しいひとときを過ごさせて頂きました。日はすっかり落ちて、あたりは真っ暗になっていました。今年は、比較的暖かい日に恵まれましたが、それでも寺の水銀柱は屋内でも12度Cを示していました。法学寺様での温かい歓待に感謝して、この日最後の移動先である善光寺(同市大字吾野)の宿坊に向かいました。宿坊では既に夕食の準備万端整い、私達を待っていました。宿坊心づくしのお料理はとてもおいしく、家庭的な温かさも感じられ、一品ずつ愛でながら頂きました。お食事中は楽しく歓談しました。その後入浴し、9時頃床に就きました。

翌16日は早朝5時半に起床して、善光寺のお朝事に参加するため6時10分に宿坊を出発しました。道中、全員で「なーむあーみだーぶ」「なーむあーみだーぶ」と大きな声でお念仏を称えながら、長い参道を歩きました。善光寺本殿で朝の冷気に身を包まれながらのお念仏はすがすがしく、堂内に響く読経の声は荘厳そのものでした。その後、日頃はできない戒壇めぐりの体験をさせて頂きました。真っ暗な本堂下の地下通路の階段を降り、私はお念仏を称えながらお目当ての極楽の鍵に触れました。そして、世界に極楽のご縁が深まりますように祈念しました。

8時の朝食に宿坊へ戻る時、境内で多くの参拝客とすれ違いました。温かい朝食を頂き、お世話になった宿坊の方々にお礼を述べて再び法学寺に戻りました。リンゴ発送手続き後お茶菓子で休憩しました。9時30分からいよいよ本行事の主目的である弁栄聖者ご祥当念仏会のセレモニーが始まりました。古田上人のご指導に従って全員が聖歌「いまささぐ」を楽器・二胡の伴奏で斉唱する中三人の代表が献灯、献花、献香をしました。その後お念仏に打ち込みました。木魚の乱れもなく、みんなの心が一つになって称名念仏に時間の経つのを忘れました。古田導師は、ご祥当会表白として、音量豊かな美声で46聖者のご略伝を読み上げられました。それを聞きつつ聖者が厳寒中でもご伝道に尽くされたご苦労に心を馳せました。

終わって例年通り、昼食のため本場の蕎麦料理店へ移動しました。運ばれて来る一品一品に舌鼓を打ち、デザートに至るまで蕎麦づくしの美味しい地産料理に日本人の忘れていた原風景に触れた想いでした。私は小麦粉のかわりの米粉製ケーキを見たことがあるのですが、そば粉製ケーキをここで初めて見させて頂きました。地球温暖化防止にもなりとても良いアイデアと思われました。

今回のスケジュールもいよいよ終わりとなりました。楽しく語り合った皆様ともしばしのお別れです。今年は4名の新しい方が参加されました。地元の温かいもてなしを受け、来て良かったとの感想でした。二十代の若い方が二名参加されたことでお念仏も一層活気のあるものとなりました。本行事が楽しく充実して終えることが出来ましたのも古田導師上人は云うまでもなく、ご家族、ご親族、お弟子の村松浄光尼様と皆々さまのお力添えのお蔭と心から感謝申し上げます。

合掌

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