摂化院親子別時に参加して
広島県福山市 極楽寺 副住職鶴山 豊教
新緑の美しい五月晴れの中、五月三・四日に摂化院において、金田昭教上人を導師に迎え親子別時が行われました。親子別時とは摂化院で一泊二日の共同生活の中で日頃触れることのないお念仏や法話に触れることで親子で尊い仏縁を結び仏の子としての種を心の中に育んでもらおうと言う願いをもって始められ今回で七回目になります。 私も今回その尊い御縁を頂戴し初めてお手伝いをさせて頂きました。
参加者は下は一歳の男の子から上は八十代の女性までの二十二名でみんな最初は緊張した様子でしたが、一緒に外で遊んだり、一緒に聖歌を歌ったりするうちに段々と打ち解けてきました。
鉄は熱いうちに打てという言葉がありますが、世の中の宗教離れが叫ばれる昨今にあって小さいうちにこのような仏縁を結ぶことがいかに大切なことであるかを感じます。
金田上人が法話の中で子どもたちにこんな話をしてくださったのが印象深いです。それは、「イメージしてみてください。ここに中くらいの大きさの壺があるここには何が入りますか?」という問いかけから始まり、子どもたちの答えは大きな石、続けて小石、砂、水、空気でした。上人は続けて「では、ここ中で一番先に入れた大きな石とその壺の意味はなんでしょう?」と聞かれ、なかなか答えの出ない子どもたちに向かって「壺は君たちの心であり、大きな石は一番大切な物。だから一番大切な物は一番先に入れておきなさい、何故なら大人になってからそれを入れようとしてももう入りきれないから。君たちが今回参加した意味は一番大切なのもを心に入れるためです。」と教えてくださいました。
子どもたちはわかったようなわからないような不思議な顔をしていていましたが、私はこの話はすばらしい話だと感じました。世の中でいろんな価値観や教養があるなかで心に宗教を持つこと、そしてなによりお念仏の種まきをすることそれを教えてくださり、今回の別時に参加した子どもたちはこの別時を通じすばらしい仏の種を手に入れたと確信いたします。
また、灯火の集いでは、一人一人阿弥陀様にローソクの火をお供えし、「仏さま、どうかよい子でいられますように見守ってください」とお願いいたしました。
私もかつて幼い時より実家の寺で手伝いをし、お念仏をさせて頂くことで功徳を頂戴し、会社勤めを経て再びこの道を歩ませて頂くことができました。
親子別時を主催してくださった下司さんは誠に尊い仕事をなさってくださっています。私も力及ばずながら次回からもお手伝いせねば申し訳ないと感じました。
今回の別時の中で、腕輪念珠を一緒に作りました。子どもたちは思い思いの念珠玉を手に楽しみながらも真剣にシリコン糸を通し、いろんなデザインのお念珠が出来上がりました。さらに家で待つお父さんや兄弟にお土産にとお念珠を作っている子もいました。
この念珠を家族に渡して使うことでお念仏の縁が広まり、家族にのりの糸が通り絆がより一層深まることを願います。
最後に参加した子どもたちの感想文を掲載させて頂きます。
合 掌
- 小学5年
- 摂化院に来て、お経を読んだり数珠を作ったりしてとても楽しかったです。正直言うと最初はお経早く終わらないかなと思っていました。でも、手を少しでも合わせることで心が落ち着くことを習いがんばりました。
帰りに仏さまの絵が描いてある物をもらったのでこれから毎日手を合わせたいです。そしてみんなと友達になってバトミントンや粘土遊びができて楽しかったです。また来年も参加したいです。 - 小学4年
- 私は初めは木魚をたたいたりするのがめんどくさかったけど、だんだん慣れたらもうちょっとしたい気持ちになりました。
あと、和尚さんから「いただきます・ごちそうさま」の話や感謝の気持ちの話を聞き自分も気をつけなきゃと思いました。
それとみんなとシャボン玉遊びや、バトミントンをしたのが楽しかったです。
来年はもっといろんなことを学びたいです。