西蓮寺例会
内藤 規利子
早く咲くはずの沈丁花が遅れ、桜が早かったということで西蓮寺は花がいっぱい。いろんな種類の椿・桜・サンシュユ・ボケ・大木の木蓮・桃・れんぎょう等々。本堂の前の枝垂桜は濃いピンクでもうじき咲きそう。これも見たいなあ…。大きい盆栽の芽吹きがとてもかわいい! 「これは何ですか?」と奥様に伺うと「欅です」と盆栽もなかなか良いものです。
3月24日大田敬光上人御指導で例会が開かれました。御法話の一部です。
お経も漢文では何が書いてあるのかさっぱり分からない。だからこれでは本当に仏教が分かったということにはならないということで本当に分かるためにはよく分かる翻訳をしなければいけないということで私達の先生に当たる方々が随分苦労してこれを翻訳して下さいました。その中のひとつが法句経でこれが分かったら本当にありがたいということが分かる。詩のような形でお釈迦様のお言葉が誠にありがたいことですね。訳しながらお読み下さいました。
得生人道難 生壽亦難得
世間有佛難 佛法難得聞
人が生きるということは本当に難しいことだけれどもそれがさせてもらえている。やがては死ななければならないけれど今生命あるはありがたい。正しい教えは学校でも教えてくれないしなかなか聞くことはできない。諸佛(お釈迦様のような方)が世に出て下さるのはありがたい。
人家有母樂 有父斯亦樂
世有沙門樂 天下有道樂
世に良いお母さんらしいお母さんのある人は本当に幸せな人だね。良いお父さんらしいお父さんがあるも又幸せなことだね。お寺まいりなどしようと思う気持ちになるということもありがたいことだよ。宗教とかを身に付けた尊い方、精神的に高い境地におられるような方がおって下さるのはありがいことだなあ。
老則形變 喩如故車
法能除苦 宜以力學
きれいに飾られた王様の車も古くなり、この身も又老いてしまう。しかし心ある人の教えは老いることはない。心ある人は、又互いに心ある人に伝えるからです。
卒業式の時期ということで「仰げば尊し」と「蛍の光」を奥様のオルガンで皆でうたいました。
ここからは内藤のことです。
過日テレビで西田敏行さんが「映画『遺体~明日への十日間』は実話で是非見ていただきたい。皆様の入場料は全部東北の被災地の方々に寄付されます」とお話されておりました。私は震災で亡くなられた方の御回向を微力ながらさせていただいているのでもっといろんなことを知るべきだと思ってショックを受けるであろうことは覚悟の上で映画館へ足を運びました。
釜石市の遺体安置所で御遺体と向かい合うという辛い作業にあたった市の職員、その他多くの方々が主人公の元葬儀社に努めていたというボランティアの方とのふれあいで心が変わっていくという話です。
「この方達は御遺体なんです」と御遺体一人一人に優しく語りかけ遺族の方々にも心を寄せる。御遺体一人一人に物語があるのですが一番かわいそうだったのが中学生くらいのお嬢さんを亡くされたお母さんでした。何日も御遺体から離れることができず斎場へ行かなければならなくなった日「電灯を消すから…」と言っても離れられないので職員の方が3人一晩付き添ったことによってやっと納得してお嬢さんを送る気持ちになるのですが、御遺体の一人一人全員かわいそうでしたがとりわけ泣けました。
主人公は「御遺体は優しく話しかけることによって表情が変わる」と言っていました。人は亡くなって終わりではないと思いました。私は父のことを思い出しました。私の息子がお葬儀の日お棺の中の父を見て「おじいちゃん笑っているね」と言いました。かわいがっていた孫を見て笑ったのでしょう。この頃は子供達に迷惑がかかるからお葬式もいらないとか法事もやらなくてもいいなどという方が増えているような気がしますが子孫のためにいろいろ教えていくことが大切ではないかと思っております。