光明の生活を伝えつなごう

光明主義と今を生きる女性

光明主義と今を生きる女性 No.10 私の光明生活 其の2

※その1はこちら

田代 悦子

(4)別府上人との御縁

次男の泰彦が大学受験に失敗して浪人を決めた時、三年先輩の従兄弟の高杉義明君が、常々とても熱心にお念仏している姿を見て、自分も頑張ってみたいと、誘われるままに瀬戸田にある法然寺の別府上人の所へ1ヶ月間の念仏修業に参りました。
最初の1週間は義明君と一緒に居てもらって、その後感謝しても、し尽せない程の体験をさせて頂きました。その間に届いた泰彦からの葉書の一部です。

  1. 昨日、4時半頃法然寺に着きました。
    このお寺はとても大きく家族も温かい人ばかりで今はほっとしています。義明兄ちゃんに色々分からない点を教えてもらい、今日は5時半に起きて念仏をしました。3月一杯保つかどうか心配ですが頑張って行こうと思っています。
  2. 今日は義明兄ちゃんが九州に帰る日です。これからこのお堂で一人で念仏する事になりました。正面には法然上人の大きな像が眼を開けて僕を見ています。お念仏は大体2時間区切りで、一日約10時間位やっています。
    お念仏をしていると御飯が有難くて又お風呂も有難く、東京では感じなかった有難みが分かります。食事の時はお上人と家族の方達が漫才をしているみたいで、余計楽しみです。
  3. 半月以上になろうとしていますが、今まで随分力んでいたんだなぁと思われるのです。お上人の家族の方達は皆伸び伸びされていて感化されたのかもしれません。
  4. 3月31日に帰ります。福岡には近いので、おじいちゃんの所に行きたいのですが、念仏を毎日10時間も出来る生活は、一生にそんなに無いと思うので、この機会に、精一杯やっておこうと思い31日までご厄介になろうと思います。
    念仏の方は進んでいるのか、進んでいないのか良くわからないのですが、慈悲深い仏様は正しい方へ進めてくれると信じています。

泰彦を送り出して1ヶ月が経った日の午後、「只今!」と帰って来て私の顔を見るなり
「お母さん。僕を生んでくれて有難う」
と晴れ晴れとした表情で言いました。心配して待っていた私にとって忘れられない嬉しい事でした。如来様の素晴らしいお助けを頂いたと心より感謝の気持ちで一杯になりました。
明るくなった弟を見て、兄も行きたくなり、翌年の春休みに兄弟二人で1ヶ月間お念仏をさせていただき、本当にお上人様一家にはお世話になりました。

その後主人の勤務も少し自由がきくようになりましたので、私達も毎年のお別時に伺わせて頂く事ができました。そして、五重相伝もして頂き、沢山の良いご縁を育ませて頂きました事を何時も感謝して日々のお念仏の励みにいたしております。

法然寺のお別時で不思議に感じた事があります。毎年同じ梟の親鳥が赤ちゃんを育ててもらおうと、三羽の赤ちゃんをお寺の玄関に預けていく事です。お上人始め家族の皆さんが大事に育てておられました。きっと梟さんもこのお寺で如来様の御縁を感じているのだと思いました。

(5)関東支部の行事に参加して

東京に来て、主人が会社生活から離れる頃より、二人で光明会の行事に参加するようになりました。
毎月、光明園・一行院でのお別時に参加して、河波上人・八木上人のご法話を拝聴し、光明主義の奥の深さを感じると共に、同じ志を持った沢山の光友に出会う事が出来ました。
その中で心に残った事を書かせて頂きます。

◆弁栄聖者九十回忌記念行事への参加

その一つは筑波山の立身石の岩窟訪問で、聖者の修行を偲び、同行の役員の皆様とお念仏を致しました。

又、医王寺に伺って、由緒深い薬師堂で月例会(毎月四日)に参加させて頂きました。其の後お寺の裏に安置された聖者のお墓に皆で参拝いたしました。

そして、近くの布鎌教会堂にも参りました。此処は、往事の家屋・仏壇を近所に住む赤萩さんが大事に守られて、今尚毎月1回近所の人々が集まってお念仏をされます。伝統と素朴さが感じられる雰囲気の中でお念仏をさせていただきました。
そして、聖者の終焉の地であります柏崎の極楽寺にも、あの大地震で大変な被害を受けられた後と修復工事が終わった直後にお参りする事が出来ました。

大正9年12月4日早朝、多くのお慕いし申し上げている方達に見守られて、お浄土に遷られた、聖者遷化の間に案内していただき、聖者にお会い出来た様な気持ちでお祈り出来た事は忘れられない感激で御座いました。

この様な多くの聖者所縁の地を熱心な仲間と一緒に参拝する事が出来た事に深く感謝すると共に、各地のこの光明会の光が消えずに、今後も輝き続ける事を祈らずにはいられません。

◆親子別時への参加

最後になりますが、伝統ある親子別時に孫達と一緒に参加させていただいた事は大きな喜びで御座います。今では孫達も喜んで「今年も行くよ!」と楽しみにしています。

幼稚園の沢山の園児達が、如来様の前でお上人から易しいお話を聴き、一人一人献灯する行事は、きっと子供達の将来の貴重な体験になる事と思います。

今から大きくなる子供達が一人でも多く、宗教心を持って成長して行ける様に少しでもお役に立てればと思うこの頃で御座います。

(おわり)

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