光明の生活を伝えつなごう

光明主義と今を生きる女性

光明主義と今を生きる女性 No.54 三つ子の魂・・・お念仏のご縁に感謝して

佐藤 蓮洋

先月号のひかり誌に植西さんが「関東支部主催 親子別時」を丁寧にまとめてくださいました。

私は始めての参加、しかもスタッフの一員としてお手伝いさせていただきました。このお別時でいろいろな方とお会いさせていただきましたが、一番印象的であったのが、その年齢の幅の広さと多様な関係でした。光明学園の卒業生同士、子供と母親(両親)、姪と叔母、孫と祖母・祖父、40年前から続いているお念仏仲間、お念仏が始めてという学生の方々・・・そして何よりも素晴らしかったのが、植西さんもお書きになっていましたが、2歳の幼児と92歳の人生の大先輩の参加でした。大先輩はお上人のご法話の時には、椅子を前に移動され、熱心に耳を傾けられていたご姿勢に心打たれるものがありました。

私の念仏歴は5年。50代後半でお念仏の世界に入るきっかけは、やはり祖母の影響と思います。商家だったため、両親は大変忙しく、5歳ぐらいまで、祖母につれられて近くの教会(神道系)やご詠歌の集まりで遊んでいました。覚えていることは、大祭のときにいただいた茶飯とたくわんが美味しかったこと、本堂のなんともいえない静寂な雰囲気ぐらいですが、「3つ子の魂百までも」と云われる通り、心の奥の魂に何か大きな足跡がつけられていたのかもしれません。それが一つの因となり、いろいろな条件が重なってお念仏のご縁に結び付いたのではないかとも思います。

お念仏のご縁はどこでどのように結ばれるかはわかりませんが、幼児・子供時代に宗教的な雰囲気に囲まれ、お念仏の世界を共にする体験はとても大切なことではないかと思います。以前、お孫さんにネーム入りの木魚をプレゼントされたおじいちゃん、おばあちゃんのお話を伺ったことがありますが、本当にかけがいのない一生のプレゼントですよね。

先週の唐沢山お別時でお会いした方は、子育てで中断されていたそうですが、大学生になられた息子さんと一緒に参加されたとのことでした。お母様も息子さんも兄弟姉妹は3人なのに、お二人ともお念仏に一番縁が薄いと思われていた方だそうです。このようなお話を伺うと、お念仏のご縁は本当にさまざまであり、いつでもどこでもご縁が結ばれたり復活されればこれほど素敵なことはないと思います。

現在の日本の教育の中には、宗教に関係した授業がなく、心の成長に大切な事柄を学ぶことが疎かになっていると思います。初詣やお盆などの日本全体の恒例の宗教行事ではなく、深く宗教的な雰囲気を味わう体験をすることは、人生にとって大きな財産となるとともに、生き方の選択肢をいただくことにもなると思います。

人間として生まれた意味を考えながら、いただいた霊性(仏性、法種)が一念一念のお念仏によって開発されることを祈ります。

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