光明の生活を伝えつなごう

光明主義と今を生きる女性

光明主義と今を生きる女性 No.59 再びお念仏のご縁をいただいて ─ 心に響いたりんご狩り念仏会 ─

芥川 真理子

一年前、母、岩田英子が亡くなり、河波定昌上首がお通夜にいらして下さったご縁で、また、光明園のお念仏会に通わせて頂くことになりました。

久しぶりに道場で如来様のご絵像の前に座ると涙がとめどなく溢れ、「また、戻って来ました。ごめんなさい。」と心の中で叫んでいました。

こうしてまた、私のお念仏は始まりましたが、十数年と言うブランクは大きく、他の新興宗教に深く関わり、様々な超自然現象を体験していましたので、すがるように求めても、如来様はなかなか以前のようには金色のお姿を顕して下さいませんでした。

そんな時、長野での一泊二日のりんご狩り念仏会(法学寺・住職 古田幸隆上人)があると言うお話を聞きました。初心者向けと聞いていましたので、一から出直すつもりで行ってみようと思いました。

りんご狩り

午後1時に長野駅集合、リンゴ狩りに向かう前に十念寺に寄ってお念仏と立ち礼拝をして身を清めたせいでしょうか、細い山道を車で登って着いた法学寺様のりんご畑は単なるお楽しみのりんご狩りではなく、自然の恵みを味わい、感謝する時空が開けていました。

澄んだ冷たい空気の中に自然と一体となって稔った赤い実。それを自らの手でもぎ、その重さを手の平いっぱいに受け止めた時の嬉しさ、ありがたさ! 生まれて初めてのりんご狩りに、還暦を過ぎているのに心は乙女でした。

ご家族のおもてなし

法学寺に持ち帰った大事なりんごは一つずつ発泡スチロールの網で包み、ダンボールに箱詰めして発送準備をしました。それを済まして暖かいお部屋で用意して下さった茶菓を頂きました。自家栽培の噛めば噛むほど味のあるお漬け物を頂きながら、地域をこよなく愛する古田上人の奥様の熱っぽく語る長野の四季のすばらしさ、山あいの暮らしの話に引き込まれていきました。

農業をするため、或いは子供のために心のこもった少人数教育を求めて移り住んでくる家族もあるとか。恐らく女の人は休む暇なく体を動かさないと廻っていかないであろう山あいの生活。お寺が地域の檀家さん達の立ち寄るオアシスになっている様子が目に浮かびました。今年から結婚された息子さんのお嫁さんも加わって一家総出のおもてなしに心がほっこりした一時でした。

写仏と米粒名号

宿舎アゼリアでの豪華な夕食の後、佐野成昭上人のご指導で二種類の如来様とお地蔵様の中から一つ選んで写仏しました。

私は『ひかり』を手にするまでは写仏は何か特別な方にしか許されないことのように思っていました。そうでないと知って、いつかしてみたいと思っていましたので、それが叶って嬉しかったです。

神経を集中して完成した如来様の絵の左端にお願い事を書き添えて佐野上人に見て頂きました。とても満たされた気持ちでした。

次に古田上人に見て頂き、祈願を込めた米粒名号を書いて頂きました。お書きになっている姿は弁栄聖者のお姿と重なりました。

米粒名号と言えば、母がまだ元気だった頃に古田上人にお願いして頂いて来ては、周りの人に少しでも仏縁が結ばれますようにと念じて、配っていました。いつも布教ということが念頭にある母でした。

子供の中で一番念仏に熱心だった私が晩年、他宗教に移ってしまったことを残念がっていました。ただ私のする「手かざし」が母の体調不良の時とても効いたので「真理子は不思議な子だね。」と母なりに受け入れてくれてはいました。

母が古田上人に私のことで繰り言を言うと、『きっと、戻ってくる時が来ますよ。』と言われたそうです。そして、今、お米粒に極細文字を書いていらっしゃる古田上人の傍らに自分が立っていると思うと如来様のお働きを感ぜずにはいられませんでした。

早朝念仏

翌朝の智香寺での早朝念仏は私にとって忘れられないものとなりました。勧請するのにふさわしい凛とした空気の中で称名と木魚の音が高く響き、私の心殿に再び如来様がお宿り下さったと言う実感がしました。

最後に

「りんご狩り念仏会」が初心者向けと聞かされていましたのに、ここまで充実した黄金の時間を過ごさせて頂けるとは思っていませんでした。

最後の弁栄聖者ご祥当会のセレモニーで古田上人が聖者の伝道に尽くされたご苦労を思い、涙ながらにご略伝を読み上げられましたが、そこにはどんな法話にも勝る光明主義の命が宿っているような気がしました。

この一大プロジェクトを催して下さった古田上人、それを支えて下さった奥様を始めとするご家族の皆様、本事業を担当下さいました佐野成昭上人、お世話下さった村松淨光尼様、本当に有り難うございました。

千葉の我が家に戻って、持念仏の如来様にご挨拶すると「よしよし」と言って微笑んで下さっているようでした。来年もお友達を誘って又参加したいと思います。

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