光明の生活を伝えつなごう

近畿支部だより

近畿支部 平成19年5月

神戸光明会3月例会

関口 高

3月5日(月)神戸の東極楽寺で。講師は川端勝教上人(山口県柳井市・長命寺住職、本部あっせん交換講師 45歳)出席者11名。

一、あさの礼拝、念仏三昧、くれの礼拝

維那・植西正裕氏

二、聖歌

「光化の心相-清浄光」「のりのいと」(伴奏・鈴木美津子様)

三、法話

講題「高齢化社会と清浄光について」(以下その要旨)

  • 高齢化社会について=近代化社会から高齢化社会、情報化社会、更に少子化社会に推移中である。高齢化ナンバー1は、県では島根県、百万人都市では北九州市、地域別では山口県大島郡周東大島町(瀬戸内海の屋代島、藤本浄本上人の出身地)である。その南端に沖家室島がある。この小さな島の高齢化の実態を説明する。島には泊り宿として、浄土宗・泊清寺がある。檀家はかつて1,200軒あったが、今は200軒。貧しい小島であるので、全国各地やハワイ、ブラジル等へ移住して、過疎化が象徴的。65歳以下の人は、泊清寺の住職家族の3人のみで、あとは80~90歳が多く、100歳の方もおられる。皆さん、大変元気がよろしい。年寄りが元気であるのは、自分の年金が少なく茶ガユ(米・雑穀入り)の質素な生活であるが、石を積んだ猫の額のような段々畑を耕して野菜を作り、海の魚を釣って、身体を働かせており、70歳代の人が90歳代の人達を支えているからである。 毎年夏のお盆休みには、全国から移住した家族3千人が一度に帰郷してお墓参り、海水浴、キャンプ生活をするので、島は交通渋滞を起こすくらいである。島の外へ移住した者は、各地で家室会を結成しており、この小島へ渡る長い橋は、全国の家室会の人達が寄付して作られたものである。
  • 高齢化への対応には=毎日、感謝の生活(朗らかに暮らす生活)、規則正しい生活、身体を動かしての活動の生活の、三つの生活態度が大切である。
  • 仏種、仏性=私どもは、仏になれる種(仏種)すなわち仏性を内蔵している。南無阿弥陀仏とお念仏を称えることにより、気づかない間に如来様のい育てを受けて感謝の生活をするようになり、無量寿の生命を頂くのである。ある歌に、「桜木を 手折りて見れば影もなく 春こそ花の種となるらん」と。
  • 清浄光-六根清浄について=如来光明礼拝儀の「南無清浄光仏」に、「如来清浄光明に 我等が塵垢は滌がれて 六根常に清らけく姿色も自ずと潤るれ」と、弁栄聖者は仰せられた。
    六根とは、眼・耳・鼻・舌・身・意の六つをいう。ある歌に
    「わが意、鏡にうつるものならば さぞや姿はみにくかるらん」と。初めは綺麗な六根が、世間にもまれている間に、不浄になてくる。不浄の六根を五賊という。法然上人でさえ「愚鈍の法然坊、愚痴の法然房」と嘆かれたぐらいである。お念仏を続けることにより、如来清浄光のお慈悲の力で、私どもの六根が次第に浄化されて(六根清浄となって行く)柔和な人相に変化する。
    古今集第一六九番に
    「秋来ぬと 目にはさやかに見えねども 風の音にぞ驚かれぬる」
    人生の秋、信仰の秋に、お念仏の功徳を蒙って仏種、仏性の存在に、ハッと気づかせて頂くのである。孔子の教えに、
    「七十歳にして、矩を超えず」と。
    自然に道徳律に沿うようになるのである。
    九品往生とは上品に上中下、中品に上中下、下品に上中下の九つの品の往生の段階をいう。
  • 本日の講師・川端勝教上人は、九州大分の在家出身。仏教大学を卒業されて久留米市の浄土宗本山・善導寺で藤堂俊章法主の薫陶に預かった。後、鶴山瑞教上人の蓮華寺及び別府信空上人の法然寺で修行、24歳の時、現在の長命寺へ赴任されました由。したがってお法話は藤堂上人の話術によく似ておられて、難しい教義を諺、実例、歌等を自由自在にユーモアたっぷりに駆使されて、私どもへ判りやすく説明されたと存じました。

四、本日のご供養

本日のご供養は、近藤喜代子様と中島静子様でございました。次の例会は、6月に京都・常楽寺の江島秀法上人をお迎えすることになっております。

一同少しく六根清浄になって元気に散会いたしました。

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