内に養いつつ外面的生活の算計文芸等のすべての科学及び技能をも修めざるべからず。遊技も野球も辞すべきでない。教祖が下為れし如くに悉く為よ。而も勇悍にあらん限の力を竭せ。色味即ち結婚も而も正式に神聖にせよ。是れまた造化の命である。然れども啻肉の生活を目的とし、また科学万能主義に陥るなかれ。尚進んで霊性開発の向上心を発せよ。肉には老病死あり。不死の真理を発見せよ。国と位より已上に自己の中心点を安住せよ。世界動機の名誉財産等を超て霊的動機に自己を規定せよ。名誉財産を捨てて山に入れと云うにあらず。それらの奴隷になる勿れである。精神的に山に入れ。真理の光明を発見せよ。霊性を開発せよ。勤苦六年に傚いて自ら求道せば必ず得べし。自己胸中の塵垢を自覚せよ、霊なる金流に沐め。一心に皮骨連なるまで腐心せよ。道に焦がれて憔悴せよ。斯関門を経て初めて大心界は開示す。
現代語訳
〔青年の皆様よ、如来さまを念じて〕内面に養いつつ、外面的生活の算計文芸等のすべての科学及び技能をも修め〔て学業に励み〕なさい。遊技も野球も辞退する必要はありません。教祖〔釈尊〕が〔出家される前〕それらに励まれたようにあらゆることを修めなさい。しかも勇敢に力の限りを尽くして。世俗の愛欲の生活、即ち結婚〔生活〕も、また正式に神聖にしなさい。これもまた産みの御親である法身の如来さまのご命令です。しかし、ただ肉欲の生活を目的とし、また科学万能主義に陥ってはなりません。なお進んで、霊性を開発せんとの向上心を起こしなさい。肉体には老病死があります。不死〔永恒〕の真理を発見しなさい。国と地位以上に自己の中心点を〔しっかり定め、そこに〕安住しなさい。世界動機の名誉や財産等を超えた霊的動機に自己を規定しなさい。名誉財産を捨てて山に入れというのではありません。それら〔肉欲や世界動機〕の奴隷になってはいけません。精神的に山に入りなさい。〔如来さまを念じて〕真理の光明を発見しなさい。霊性を開発しなさい。〔釈尊の〕六年間の苦しみの中の修行を模範として、自ら求道するならば必ず得られます。自己の胸中の心の煩悩を〔しっかり〕自覚しなさい、霊的な金色の流れに浴しなさい。一心に皮と骨が連なるほど腐心しなさい。〔釈尊のお説き下さった〕道に焦がれて憔悴しなさい。このような関門を経て初めて、如来さまの霊的な世界が開示されるのです。解説
出典
『御慈悲のたより』上巻三十二~三十三頁、『ひかり』平成二十八年十一月号参照 ※ただし一部省略している。掲載
機関誌ひかり第724号- 編集室より
- 行者(この文を拝読する者)の発熱を促す経典や念仏者の法語をここで紹介していきます。日々、お念仏をお唱えする際に拝読し、信仰の熱を高めて頂けたらと存じます。
- 現代語訳の凡例
- 文体は「です、ます」調に統一し、〔 〕を用いて編者が文字を補いました。直訳ではなくなるべく平易な文になるように心懸けました。
- 付記
- タイトルの「発熱」は、次の善導大師の行状にも由来しています。「善導、堂に入りて則ち合掌胡跪し一心に念仏す。力竭きるに非ざれば休まず。乃ち寒冷に至るも亦た須くして汗を流す。この相状を以って至誠を表す。」